心ゆくまで崖っぷちで読む本

読む読む書く書く、時々考える(旧insolble)

小説

【読書189】てるてるあした

「てるてるあした」(加納朋子/幻冬舎文庫) 中高生向け現代ファンタジー。 高校受験が終わり、中学校を卒業して高校入学間際の春休み。 両親の夜逃げにより、高校へは進学できなくなり、遠い親戚だという「鈴木さん」を頼って、佐々良にやってきた照代。 居候…

【読書188】こちらあみ子

「こちらあみ子」(今村夏子/筑摩書房) 果たしてどう読むのが正解なんだろうか。 本書には表題作の「こちらあみ子」と「ピクニック」の二作が収録されている。 主人公あみ子が初恋ののり君に殴られて、歯を失うまでが、彼女の視点で書かれている。 発達障害、…

【読書174】さがしもの

「さがしもの」(角田光代/新潮文庫) 旅には本がつきものである。 意気揚々と一冊選び手提げ鞄に詰め込んだものの、1、2ページ読んだだけで、帰りはスーツケースの奥で折れ曲がろうとも、旅には本がつきものなのだ。 本書のテーマは旅の中の本。 そう思うのは…

【読書170】死ねばいいのに

「文庫版 死ねばいいのに」(京極夏彦/講談社文庫/同僚より借受) 死んでしまった女アサミの事を、関係者に尋ね歩く無礼な若者ケンヤ。 ケンヤと関係者との対話形式で話が進む。 ジャンルとしてはサスペンスなのかなぁ。 「オレ、バカなんでほんとわかんないん…

【読書167】野良女

「野良女 」(宮木あや子/光文社文庫) アマゾンを見ると「アラサー女子の心の叫びが云々」と書かれているけど、違うんだ。 28歳から30歳。微妙なお年頃のアラサー女子たちの仕事模様恋模様。「等身大のアラサー女子達」が描かれているように感じた。 結果、エ…

【読書164】今日のごちそう

「今日のごちそう」(橋本紡/講談社/岡崎市立図書館所蔵) 豪華な晩餐、普通の食事、作り置きカレーのアレンジ。食を舞台に繰り広げられる日常のショートショート集。 AMAZONの商品説明には「誰にでもある、ごくふつうの日の料理の風景を繊細に丁寧に切り取っ…

【読書152】魚舟・獣舟

「魚舟・獣舟」(上田早夕里/光文社文庫) 表題作の「魚舟・獣舟」をはじめとして、6編が収録されたSF短編集。 幾つか印象に残ったものだけ。 「魚舟・獣舟」 所謂現代世界が崩壊した後の世界、陸地の多くは海に沈み、海には海上民が住まう。 どのような環境に…

【読書102】学園大奥

「学園大奥」(宮木あや子/実業之日本社文庫) 猛勉強の末、入学した憧れの「丸の内学園」。 女子高だと信じていたその学校は、いつの間にか共学化していた! 生徒会組織、通称「大奥」。女の園にわずか2人の美少年。内部生の選民思想。 コメディタッチの少女…

【読書101】ハイスクール歌劇団 男組

「ハイスクール歌劇団 男組」(米原弘樹/幻冬舎文庫) とある男子校で文化祭に向けて結成された「青葉台歌劇団男組」。 受験生まっただ中、男ばかりの宝塚上演を目指して練習に励む青春小説。 辻かわいいよ辻。ある意味萌え小説なんだろうか。 みんな若者で高…

【読書100】セレモニー黒真珠

「文庫 セレモニー黒真珠」(宮木あや子/MF文庫ダ・ヴィンチ) 「花宵道中」に続き、宮木さん二冊目。 葬儀屋「セレモニー黒真珠」の社員3名を主軸に、人の死後、葬儀を通じて垣間見る人間関係を描いた連作集。 文句なしに面白かった。 登場人物たちは各自重い…

【読書099】たぶらかし

「たぶらかし」(安田 依央/集英社文庫) 主人公は冬堂マキ、もうすぐ40歳。 嫌な仕事、嫌なイベント。そんな時誰もが一度は妄想しそうな「誰か代わりになってくれたら…」。 そんな気持ちをかなえる会社、「ORコーポレーション」に所属する役者だ。 日常生活に…

【読書098】グリーン・レクイエム

「グリーン・レクイエム」(新井素子/講談社文庫) 新井素子さん二冊目。 三作の短編集。 まずは表題作の「グリーン・レクイエム」。 かつていた著名な植物学者。 かつて破たんのきっかけとなった弟子である研究者。 かつて少女に遭った学生の青年。 少女が悲…

【読書096】【読書097】呪われた町<上><下>

「呪われた町 (上)」「呪われた町 (下) 」(スティーブン・キング/集英社文庫) アメリカの田舎町「セイラムズ・ロット」に立ち寄った小説家の青年。 地元では有名なお化け屋敷「マーステン館」への奇妙な転入者。 やがて連続する死者、消える死体、徘徊する亡…

【読書095】鬼談百景

「鬼談百景 」(小野不由美/幽BOOKS) 先日紹介した「残穢」と同時発売の、怪談集。 百の怖い物語を集めた、いわゆる耳袋的な一冊。 小野不由美さんの淡々とした語り口のせいか、不思議と怖くない。 非常に淡々とした感じがむしろ物足りなく感じる人もいると思…

【読書094】残穢

「残穢」(小野不由美/新潮社) 追ううちにたどり着くドキュメンタリータッチの一冊。 リング系のホラー。

【読書089】高熱隧道

「高熱隧道」(吉村昭/新潮文庫) 黒部第三発電所建設のため、水路トンネル及び欅平駅~軌道トンネルの開通を目指す現場を描いた一冊。 資材運搬中の転落死にはじまり、岩盤温度はセ氏150度を超える灼熱地獄、宿舎を襲う大雪崩。無残に死んでゆく人夫たち。 国…

【読書079】魔神航路

「魔神航路」(仁木英之/PHP文芸文庫) 「僕僕先生」シリーズ以来、注目している仁木さんの作品。 系統的には僕僕先生よりも、「千里伝」のほうが近い。 夏休み、主人公の信之は、故郷の海辺の町に戻ってくる。故郷の町をでて半年。旧友たちとの再会と、海遊び…

【読書077】【読書078】Another(上)(下)

「Another(上)」「Another(下)」(綾辻行人/角川文庫) サスペンスホラー。間違ってもミステリではない。 主人公榊原恒一が転入することになった夜見山北中学。 転入先の3年3組はある現象の影響下にあった。 いわく、4月になるとクラスの構成…

【読書076】おしまいの日

「おしまいの日」>(新井素子/中公文庫) ずっと読んでみたかった新井さんの本。 多忙な夫忠春と、依存心の強い妻三津子。結婚七年目。夫は一流企業の出世頭。都内に一戸建ての借家を借りて、夫婦仲はよく幸せなはずな家庭。 三津子の体調の変化をきっかけとし…

【読書075】おやすみ、こわい夢を見ないように

「おやすみ、こわい夢を見ないように」(角田光代/新潮文庫) 「予定日はジミー・ペイジ」が面白かったので、角田さん二冊目。 全く関係ない女たちの悪意が露呈していく。サスペンス的な7編の短編集。 根拠のある、根拠のない、明確な、唐突な。 あれだけ悪意…

【読書071】予定日はジミー・ペイジ

「予定日はジミー・ペイジ」(角田光代/新潮文庫) 流れ星、直感、そして始まる妊娠生活。 新米妊婦のマキの戸惑いが日記形式で語られる。 現実感なく、体内で育っていく何か。妊娠初期の妙な衝動。不安感を体現するような夢。 己以外のテンションと、自分のテ…

【読書070】家守綺譚

「家守綺譚」(梨木 香歩/新潮文庫) 分筆家の私、綿貫征四郎と、庭付きの日本家屋を舞台にした随筆風の小説。 私に懸想するサルスベリ。ボートで掛け軸から現れる亡友。犬のゴロー。小鬼に人魚、四季折々に出没する数多が自然の一部として当たり前に存在する…

【読書067】【読書068】「鬼やらい」<上><下>【読書069】花守鬼

前作「一鬼夜行」の続編。二作目、三作目。 まずは「鬼やらい」から。 「鬼やらい〈上〉」「鬼やらい〈下〉」 (小松エメル/ポプラ文庫ピュアフル) 前作から半年後、相変わらずの閻魔顔の喜蔵、妹の深雪にへたれ幼馴染の彦次。彼らのもとに猫又妖怪の小春が再…

【読書065】ちょんまげ、くろにくる ぽんぽこ もののけ江戸語り

「ちょんまげ、くろにくる ぽんぽこ もののけ江戸語り」(高橋由太/角川文庫) 「ぽんぽこ もののけ江戸語り」シリーズの三作目。 前作の後編にあたる。ジャンルは時代妖怪物のラノベだと思う。 戦闘シーンが多いけど、爽快感があってよし。ただ、キャラクター…

【読書061】銀の森のパット

「銀の森のパット」(モンゴメリ/角川文庫) モンゴメリって誰だっけなー。少女文学っぽいイメージだなぁ、等と思いながら購入した一冊。 代表作は「赤毛のアン」、英米文学の方でした。角川WEBで立ち読みができます。(立ち読み:銀の森のパッド) カナダのプリ…

【読書060】獣の戯れ

「獣の戯れ」(三島由紀夫/新潮文庫) 久々に三島作品が読みたくなって一冊購入。高校生の頃によく読みました。 奔放な性生活をおくる夫と嫉妬心を決して露わにはしない妻。夫の部下であり妻の愛人である主人公。 不倫の現場、傷害による障害。 廃人となった夫…