心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書006】かもめのジョナサン

かもめのジョナサン」(リチャード・バック/新潮文庫)(参考:wiki)

食べること・生きることよりも飛行の練習をする優先するかもめのジョナサンが、それ故に群れを追われ、一人練習を繰り返す中で別のステージに達し、その後また群れに戻り、導くものとなる話。

本自体は非常に薄く、またかもめの写真が随所に挿入されているため、1時間もかからずに読めますが、私は新興宗教的な香りを感じてしまい、なかなか読みきることがが出来ませんでした。

ジョナサンの「食べることよりも飛ぶことが崇高である」という意識。故に「それを伝達しなければ」という使命感。

一見すると非常に立派に見えますが、食べることと飛ぶことが入れ替わっただけで、ジョナサンを追放した他のかもめ達と本質的に同じに見えるのです。

「食べることも大事だ、だから、食べよう。しかし飛ぶことも楽しいから一緒に練習しないか?」とは決してならない。

「食べること(≒相手)は否定し、自分のすばらしいので伝えたい。」というのは、私には、ただの押しつけに見えるし、そこには選民思想が内在しているように感じます。

「食」という生命活動への否定や、苦難を打ち破りたどりつく新たなステージ、そしてその押しつけともいえる布教や前述の選民思想的な意識。

その辺の諸々を含めて神秘主義なのかなぁ。

どちらかというと、岡本太郎さんの「人生の目的は悟ることではありません。生きるんです。人間は動物ですから。」という言葉に共感を抱いてしまう私としては、だいーぶ微妙な本でした。