心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書013】蝶花嬉遊図

蝶花嬉遊図」(田辺聖子/講談社文庫)

恋愛物語。

不倫もので年上の男に囲われてる愛人の話。

妻子を持つ50歳実業家の男レオと脚本家で33才のモリ。

嗜好や感性が同じ、愛する彼がいれば他は何も要らない。

2人で楽しくすごす時間の、他のすべては邪魔なだけ。

そうして、2人の生活だけに没頭していく様子は排他的で宗教がかっている。

本作を描かれた時代を考え、当時すでにオーガニック嗜好があったのかと思うとおもしろくもある。

主人公の彼女は、友人の死を一つのきっかけとして、書く仕事へ戻っていく。

それは、おそらく、2人の生活からの別離を意味する。

モリが執筆活動を再開しはじめたところで話は終わる。

その後は描かれていない。

けれど想像がつく。

想像は付くけれど、描かれていないために、物語は非常に綺麗なままで終わる。

作品と非常にマッチした文章を書く方だなぁという印象。「書く」よりも「描く」という表現が合う。

どこか淡泊な文章で、テーマの割に軽すぎず、重すぎず。

受ける印象は恋愛ファンタジー。

なんだか、引っ越してきた直後、求職中でずっと家に居た時の気分を思い出しました。

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