心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書081】宵山万華鏡

宵山万華鏡」(森見登美彦/集英社文庫)

 

京都の宵山祭りを舞台に、ある話の脇役が次の話の主人公になり、つながっていく連作中篇集。

正直、一話目の「宵山姉妹」を読んだとき、失敗したかなと思った。

実は、森見さんの作品では、以前、「夜は短し歩けよ乙女」を読んだとき、文章的に読むのがつらくて、珍しく読み切れなかった経緯がある。

 

不安は、二話目「宵山金魚」、三話目「宵山劇場」を読んだ時点で完全に消えた。

少し不思議な現代ファンタジー小説的な「宵山金魚」、どたばたとした青春小説でもある「宵山劇場」。

繰り返す一日に迷い込んでしまう「宵山回廊」。

 

基本的にはちょっと不思議なファンタジーでどたばた小説なのかなぁ。

 

宵山祭」という特殊な状況で、読者に現実とファンタジーの合間で何が本当かわからなくさせる不思議さが上手といえる。煙に巻かれていつの間にか不思議な気分になっている感じ。

魅力的なキャラクターというものは感じなけど、魅力的な集団ではあるかな。個人よりも団体を書くのが上手。

 

新潮文庫夏の夏の文庫フェアで平積みにされていた「きつねのはなし」(森見登美彦/新潮文庫)を購入してみた。