心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書107】白蝶花

白蝶花

(宮木あや子/新潮文庫)

 

宮木さん作品の中では「花宵道中」、読後感では「雨の塔」に近い。

時は大正から昭和、今とは異なる身分制度、社会常識の中で生きる女性たちの恋愛連作集。

 

出征、戦死、あるいは癌…。

さまざまな理由によって、見事に男性の姿ははじき出されている。

 

連作集となっているけど、比重的にはプロローグ/本編/モノローグという構成に近いかなと思っています。

登場人物たちの由来を描くプロローグ。

各人の一応の結論に触れながら、戦中、身分違いという舞台での少女を描く本編。

そしてそれらは現在という、モノローグをもって完結する。

 

宮木さんは百合モノを書かせたら天才だなと思う。

少女と女、救済と救われなさが同居して、艶やかな世界観である。