心ゆくまで崖っぷちで読む本

読む読む書く書く、時々考える(旧insolble)

【読書152】魚舟・獣舟

魚舟・獣舟」(上田早夕里/光文社文庫)

 

表題作の「魚舟・獣舟」をはじめとして、6編が収録されたSF短編集。

幾つか印象に残ったものだけ。

 

「魚舟・獣舟」

所謂現代世界が崩壊した後の世界、陸地の多くは海に沈み、海には海上民が住まう。

どのような環境にも適応し、生き残っていけるように遺伝子は改変されている。

ちょっと設定が分かり難いのと余韻を残す終わり方に、物足りなさを感じる。

 

「くさびらの道」

ごく近い未来の日本に寄生茸による奇病が蔓延する。寄生茸の発する胞子は、人間の脳に働きかけ、愛しいもの、ごく近いものの幻を見せる。そして幻影にとらわれた人間は新たな菌床に。

寄生茸の設定がエグいバイオハザード物。

 

「小鳥の墓」

教育特化型実験都市EE区。そこに暮らす金太郎飴のような粒のそろった子供たち。

収録作品の中で飛びぬけてボリュームが多く、これだけで一冊にもできそうな分量がある。

別の話の外伝のように読めるらしい。

そのためか、本作単品で読んでしまうと、主人公の彼の幼少期の話と現在の設定が乖離している。少しもったいない。

 

全体的に、最近のSFといった感じ。

サイエンスとオカルト、似非科学の融合といった世界観だと思う。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村