心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書186】幻色江戸ごよみ

幻色江戸ごよみ」(宮部みゆき/新潮文庫)

 

江戸の町を舞台にちょっと不思議な、いわゆる怪異をまとめた短編集で12編が収録されている。

印象に残ったのは、「紅の玉」、「神無月」、「紙吹雪」あたりだろうか。

 

「紅の玉」

奢侈禁止令下の病妻を抱える飾り職人佐吉のもとに、紅玉珊瑚を使った贅沢な銀の簪を作成してほしいという依頼が入る。

支配階級である士族と、それに振り回される被支配階級である職人。

怪異というよりは、人間の業といった感じの、不条理な感じのお話し。

仕事を奪われ貧困にあえぐ中で、久しぶりの大仕事。己の作品にかけた少しのプライドが、佐吉の命運を分ける。

 

「神無月」

原因側から見れば明白であっても、結果だけを見せつけられると、怪異と見える。

神の居ない月に生まれ、病弱である娘のために、神の居ない月に押し込み強盗をはたらく男。

年に一度、神無月におきる強盗事件に気付き、犯人を追う岡っ引き。

 

「紙吹雪」

高利貸しの井筒屋の住みこみ奉公人おぎん。

ある日彼女は屋根の上から白い紙吹雪を降らせる。

 

怪異よりも、人が起こした事件のほうが印象に残った一冊だった。

 

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***

 

なんとなく、「紅の玉」のかんざしは、どんな豪華絢爛な物だろうと思って探してみたけれど、なかなかないね。