【読書191】ペンギンの憂鬱
「ペンギンの憂鬱」(アンドレイ・クルコフ/新潮クレスト・ブックス)
ガールフレンドに出て行かれた売れない小説家のヴィクトルは、潰れかけた動物園から皇帝ペンギンを貰い受ける。
新聞社の編集長に依頼されたのは、得た仕事は死者の死亡記事、通称「<十字架>」を書く仕事だった。
ヴィクトルはまだ生きている著名人の<十字架>を書く中で、職を得、友人を得、家族を得て、やがて事件に巻き込まれていく。
旧ソ連の香りを色濃く残しており憂鬱でアンニュイな雰囲気の漂う一冊であるが、語り口はフラット。終盤~エンディングも体制、社会と不条理感漂う。
基本的にあまり海外文学を読まない。
本書を読み始めたのも、ペンギンブームが訪れていた時に、なんとなく「ペンギン」で検索してヒットした。ただそれだけの理由だ。
普段読まない分だけ、ウクライナでは酒量はグラムで語る、など発見も多い。
なお、肝心のペンギンは憂鬱症で、物語のキーとして、マスコットとして随所に顔を出しはするんだけど、微妙に印象が薄かった。