心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書222】少女ポリアンナ

新訳 少女ポリアンナ」(エレナ・ポーター/角川文庫)

 

「嬢さんは何でも苦労なしに嬉しくなれるみたいよね」

ナンシーは一言い返しながらも、何もない屋根裏の小部屋を見た時の、ポリアンナの勇敢な態度を思い出し、胸が詰まりそうだった。

ポリアンナは低く笑った。

「ああ、それって、なんというか、ゲームなの」

「ゲ、ゲーム?」

「ええ。『嬉しい探し』ゲームっていうの」(54ページ)

この物語はこの1シーンに集約されている。

悲しい時、がっかりした時、その出来事を嬉しいと思える理由を探して、ポジティブに生きる少女ポリアンナ

彼女の明るさ、考え方に触発されて、街の人々の生き方が、少しづつ変わっていく。

端的にはポリーおばさんのツンデレっぷりを愛でる物語である。

 

実を言えばミス・ポリーは不思議な無力感を味わっていたのだ。ポリアンナが来てからこの少女を罰するのは三度目だ。そして三度目にして、自分の与えた罰が特別なごほうびだと思われているという、とんでもない事実に気づいてしまったのだ。ミス・ポリーが不思議な無力感を味わうのも、無理はなかった。(83-84ページ)

義務感から、無力感。相互片思い状態から、事故をきっかけに相思相愛へ。

えらく可愛げのある人である。

可愛げのある人だからこそ、頑なになり、長い時間がかかってしまった人なのだろう。

可愛い。実に可愛い。

 

「お人形がもらえなくても、足が折れてなくて良かったと考える」の裏にある「足が折れている人は可哀想」という憐れみ。

万事がこの調子である。物語中では美徳として扱われるこの性質に、他人との比較、根拠のない優越感のようなむしろ悪徳を感じて、何と言うか、文化の差を感じたのであった。

 

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