心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書239】赤ちゃん学を知っていますか?

赤ちゃん学を知っていますか?―ここまできた新常識」(産経新聞「新赤ちゃん学」取材班/新潮文庫)

「赤ちゃん」研究の最前線を取材しまとめまたもの。

とはいっても、初出の新聞連載は2002年、現在は2014年なので、すでに12年前になる。

12年の間に新たな知見は得られているだろうが、新たな知見によって本書に書かれた内容が、全ての180度変わってしまった、ということはないと思う。流石に12年も経てば、現在の最前線ではないのだけれど、案外目新しく読めた。

 

子育てをはじめてまだ半年の若輩者なので、試行錯誤、勉強の日々なのだけど、妙なストレスがある。

例えば、時々聞かれる「テレビは良くない」という言葉。しかしその人に「なぜ?」と問いかけても、納得できる答えが返ってこないことが多い。

これがとってもフラストレーションだったのだけど、「なぜ?」にあたる部分が専門家の立場から語られており、非常にすっきりした。

 

テレビや母乳というテーマ一つに対して、発達脳科学、家庭教育研究、知育ビデオメーカー、小児医療、子供向け番組制作など様々な立場からその影響についての知見が語られている。

「結論ありき」に思える部分もあるが、非常に参考になる。

 

WHOは「最低二年以上」母乳の継続を勧めており、国際基準になっている。(167ページ)

日本国内においては生後一年から一年半での母乳中止が多いようであるが「医学的根拠のないこと」と一刀両断である。

江戸時代や文化圏によっては五歳頃まで授乳をするという話もある。

母子手帳から「断乳」ということばは消えたものの、現在の日本においては比較的早期に「乳離れ」がなされる状況にあるようだ。

 

生後六ヶ月の赤ちゃんが自分の映像を見て「自分が動いている」と認識することを突き止めた。(189ページ)

赤ちゃんが鏡をみて喜ぶ、というのはよく知られている現象のようだが、ちゃんと「自分だ」と認識した上で見つめているということか。案外いろいろなことを理解しているようだ。

 

子供のアトピーが増えたのは日本人の体質が変化したからではありません。日本人はもともと、多くの人がアトピーの素因やアレルギー体質を持っていたのです。それが、環境の変化や食生活の変化で顕在化したと考えられます。(268ページ)

落花生は気にしてもゴマを気にしている方は少ないのではないだろうか。実はゴマも落花生同様アレルギーを起こす。

そういえば離乳食の定番食材であるバナナもアレルギーを起こすし、パン粥やうどんとしてごく初期から奨励される小麦も、初期のタンパク質として奨励される豆腐の原材料である大豆もアレルゲンである。

気にしはじめたら、なにも食べさせられない、というのはまぁそうなんだけど…。

育児関連書籍は、知りたい情報が書いていないことが多いなぁ、と思う次第である。

 

一つだけ、本書への不満を述べさせていただくならば、参考文献、参考論文をがっつり載せて欲しかった。

 

◾︎個人的、妊娠赤子関連お勧め書籍

ヒトはなぜ難産なのか――お産からみる人類進化 (岩波科学ライブラリー)

人が難産な理由を形態学的、文化的に考察。読んでも痛みは変わらないけれど、痛いことになんとなく納得できて、理不尽な怒りはなくなる。

おしまいの日 (中公文庫)

ぞくぞくとするサイコホラー。

 

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