心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書252】おつきさまこんばんわ

おつきさまこんばんは―くつくつあるけのほん4」(林 明子/福音館)

 

この絵本は、私の記憶にはない絵本である。

 

実家には180cm本棚まるまる一台分の絵本があった。

定期購読していたこどものともに科学のとも、その他母が気に入った児童文学。

三人兄弟だったので三人分のも好みに合わせて、実に大量の児童書があったのである。

賃貸に暮らす都合上、そこまでの冊数は無理にしても、できるだけたくさんの本に触れさせてあげたいとは思うのである。

 

絵本というのはその他の文芸書に比べるとあまり流行り廃りがないようだ。読者が入れ替わっていくからだろうか。

子供の頃に読んで記憶に残った絵本が今でも新刊で入手できる状況にあるため、つい、自分の記憶を頼りに当時からあった絵本を購入しがちである。

 

しかしそれだけではやはりつまらない。

時に新しいものも取り入れたくなる。

 

そんな気持ちで購入したのが本書、「おつきさまこんばんは」であった。

 

本書の内容については賛否両論あるようだ。

否のほうをみると「おつきさまを独り占めしたくて、くもさんを邪魔者扱いしている」というのである。

くもさんが可哀想だ、「譲れるような優しい子になって欲しい」という。

 

でもなぁ。

それってすごく子供らしい独占欲じゃないのかなぁ。

なにもかもを「はいどーぞ」で譲るのが優しいことではないし、全てがそうやって譲れるわけでもない。

 

どちらかと言うと我を押し付けてくることの多い「子供」という生き物を相手にしていると、譲ったり優しくすることを要求しがちだから、こうやって我が侭を通そうというのを客観的に絵本で見れるのも、悪いことばかりではないんじゃないかなぁ。

 

お客さんがくるとお母さんお父さんにひっついて、隠れちゃうあの感じ。

大人同士で話しているとかまって欲しくて話に入ってくるあの感じ。

なんだかとても子供らしくて可愛らしい。

 

肝心のお月様は、くもさんにも主人公にも、なにも言い訳もせずに、ただ微笑んでいるのである。