【読書267】トルコの幸せな食卓
オリーブ、チーズ、ヨーグルト、ラク、羊に鳥。メロンにイチジク。豊富な生鮮食品に、豊富な家庭料理、屋台料理の数々。
「私が支配者だったらこの土地が欲しい!」
それが私がトルコを旅行した際の感想である。
一面に広がる黒墨土はそれだけで豊かな実りを想像させるに十分であった。広大な、そして富んだ大地があり、四季があり、水がある。
事実、世界生産量第一位を獲得するヘーゼルナッツをはじめ、小麦、大麦、てんさい、トマト、ブドウ、牛乳などなど、実に様々なものを生産している。銀の砂漠などない、GDPの15%、就労人口の40%を農業がしめる農産国である。
豊かな農業生産があるところには、豊かな食文化がある。
世界三大料理のひとつとされながら、日本ではあまりメジャーではないトルコ料理、トルコの食文化とはどのようなものなのだろうか?
本書は在トルコ歴10年の筆者か綴る、トルコの食文化エッセイである。
そもそもトルコ料理には、つゆにつけるとかソースを別に作ってかけるという発想がない。材料をみんな一緒にまぜて煮込む、これがトルコ料理の基本の型だ。(56ページ)
美味しい食材を足して足して足す。ひたすら足しっぱなしなその姿勢がなんとなくトルコ人らしい。シロップに浸かった甘いお菓子も同じ発想な感じで作られていたのか、と納得がいった。
周遊ツアーだけあって、食事は移動途中のドライブインも多く、味はお察しくださいな感じだったのだけど、本書を読んで充分トルコ情緒溢れていた事がわかった。
今度はぜひ、トルコ食い倒れツアーをしたいものである。
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そういえば、ずっと憧れ食材だったタヒニ(ごまペースト)を買った。
ギリシア産らしい。トルコとギリシアはお隣なので、一部食文化が被っている模様。
一緒に茄子の瓶詰めも買ったのだけど、いつ開けようか。