心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書304】イスラームの世界地図

イスラームの世界地図」 (文春新書/21世紀研究会)

 

イスラム原理主義」、「イスラム過激派」、ニュースを賑わすそんな単語に、なんとなくイスラム=過激で怖いもの、というイメージをもっていないだろうか。

 

本書は

しかしイスラームについて、私たちは何を知っているのだろうか。もしかしたら私たちは、西欧諸国によってつくられた否定的なイスラーム像の影響を受けているのではないか。(5ページ )

という前提をもとに、イスラム世界について解説している。

そもそもイスラムとはどういう宗教なのか、にはじまり、イスラム世界と各国の関わり、イスラム初期の歴史から近代史まで。

パレスチナが如何にして宗教対立を起こし、紛争の火種を抱える地域へと発展してしまったのか。

発行が2002年と、今となってはやや古いが、歴史的背景などを記載した、イスラーム世界を学ぶ上での、まさに教科書のような一冊である。

 

イスラームアッラーとは、ユダヤ教徒たちがいうところのヤーヴェと同じ神なのだ。

ちなみに、アッラーとは神ということであり、英語でいえば、GODということになる。だから、アラビア語では、キリスト教徒の神も、ユダヤ教徒の神も、アッラーとなる。(27ページ)

イスラム教ユダヤ教キリスト教も、実は同一の神を信仰している、というのは世界史の教科書からも読み取れる事実であるが、認識していない日本人も案外多いようだ。

全て啓典の民であり、異教徒の結婚を認めないイスラム教にあっても、ユダヤ教徒キリスト教徒との婚姻は可能なのだとか。

 

彼らがおこすテロには、大きく分けて二つある。一つは、外敵の侵入に対する抵抗運動としてのテロ、もう一つは、反政府運動としてのテロである。(24ページ)

そもそもイスラムという言葉自体平和を意味する「サラーム」から派生したと言われる。

過激派と言われる人々は本当にごく一部に過ぎない。

だが、彼らの宗教解釈の中でいかにしてテロが許容されるのか。

自殺を許さない教義の中で、どうして自爆テロが成されるのかも記載されており、この辺りは一読に値するだろう。

 

硬い話ばかりではなんなので、柔らかい話を一つ。

最近日本でも地位を得つつあるベリーダンス。トルコ等イスラム世界由来でありながらいい感じの露出度で、艶かしい感じの舞踊である。

花嫁の前で披露されるベリーダンスは「こういうふうにすると旦那が喜ぶわよ」という意味合いがこもっているのだという。(238ページ)

そもそもそうゆうものであるようなので、男性諸君は多いに鼻の下を伸ばしてほしい。