心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書310】迷宮レストラン

迷宮レストラン―クレオパトラから樋口一葉まで」(河合真理/日本放送出版協会)

 

本を読んでいて、この人はどんなものを食べていたのだろう?と疑問に思うことはないだろうか。

あるいは物語に出てくる美味しそうな料理が、実際はどんなものか想像がつかなかったり。登場人物だけではない。作家は?歴史上の偉人は?

その人の生きた時代や人生に着目した本は数あれど、食事

現代に生きる人ならば、エッセイを記していたりインタビューに答えていたり、とまだ知る機会もあるだろう。

だけど、サンタクロースは?ドラキュラは?聖徳太子は?

 

そんな疑問に答えてくれる、素晴らしいレシピ本が実在するなんて!

 

時空を超越したこのレストランには、古今東西の歴史上の人物を中心に、空想上の人物など決してお目にかかれないお客様が訪れます。

帯にそう書いてある通り、数々の人物をお客様に設定し、その人の生きた時代、故郷、文献に残る嗜好をベースに、お料理を提供する…。そんな会員制レストランをロールプレイングしたレシピ本が本書である。

 

そのメニューのほとんどが作者である河合シェフが考案した創作料理であるとはいえ、なぜそのようなメニューにしたのか、メニューごとに背景や材料の説明がついており楽しい。

菜食主義で有名なトルストイが、狩猟を趣味にしていた若年の頃をイメージした肉料理メニュー。

樋口一葉の鰻料理に、河童のきゅうりづくしまで。

見て楽しい、読んで面白い、もちろん食べてみたい。そんなレシピの数々である。

 

欲張りを言うならば、もう少し、お酒にも詳しい人だと良かったかなぁと思う。もしくはアルコールについては詳しい方の監修とするか。

 

文献を読んで調査して、材料を決めて揃えてメニューを考えて非常に手間のかかりそうなテーマであるから、是非また同様の企画を、その時はそれぞれの専門家何名かの共著で、と思う。