心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書320】高原王記

高原王記

 「高原王記録」(仁木英之/幻冬舎/ひたちなか市図書館所蔵)
 
武によって民を守ることに多大な功績を挙げたものは英雄となり、苦しい修行の末に“中有の脱皮”を成し遂げたものは聖者となる。
聖者や英雄の中でも、試練に打ち勝ったごく一握りは精霊と盟約を結び、その加護を得て、さらぬ莫大な力を手に入れる。
精霊は、盟約の人間が生きている間だけ、現世にとどまることができる。
 

高原にあるリン国の英雄タンラは、最も天に近い峰の精霊ジュンガと盟約を結ぶ。そのころ、高原には変異が迫っていた。妖魔が跋扈し、水は枯れる。隠遁したはずの光の聖者、王兄である宰相の暗躍、王の予言により莫大な力を持って生まれた異形の王孫…。

異世界ファンタジーであるが、本作の面白さはそこにはない。
 
まず、プロローグの英雄と精霊(スタンド)。あんまり活躍しない。ずとでばっているので主役級なのは間違いないが、英雄は序盤で敵にやられて、爽やかキラキラマンから根暗な変貌してしまう。
それに愛想をつかした山のスタンド。引きこもる。そもそもこのスタンドの能力不明。
中盤以降、英雄は物語に復帰するものの、もっぱらストーリーテラーと化す。
 
続いて三人いる世界最強クラスその一。王様。
異変を察知して、修行のために精神と時の部屋に引きこもって、肝心な時にも間に合わない。ずっと脱皮待機。
この人が光の聖者と喧嘩したり、実子に異形の子をつくらせるような予言をしたり、お兄ちゃんの不満に気付かなかったり、色々気遣いが足りていない結果、もめた感すらある。
 
その二。異形の王孫。性格破綻系イケメンだがマザコン
めっちゃ強いママと旅している時だけが幸せだったマン。最終的に創世神話
いまいちキャラが定まらない。
 
その三。ラスボス。
人の心の一番美しいところだけを集めて己のレベルアップを試みてる人。
スタンド技は「黒歴史大公開!!」というメンタルダメージSSSな技。
 
最終的には偉大なおじいちゃん(王様)不在で、でも、おじいちゃんがいったから!で結婚して子を成した夫婦の壮大な家族ゲンカにみんなが巻き込まれた話だった。
最後、和解した両親を殺されたマザコンイケメンがブチ切れて終わる。
 
おかしいなぁ。プロローグでは「十二国記」的なものを期待したんだけどなぁ。