心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

【読書464】魔女たちは眠りを守る

魔女たちは眠りを守る

魔女たちは眠りを守る

dmmブックス。 初めての村山早紀さん。

桜の季節、古い港町に若い赤毛の魔女が戻ってきた。 人とは違う時の流れを生き、人に違和感間を持たれぬよう旅をしながら生きる魔女だけど、稀にどこかの街に腰を据える魔女もいる。

舞台となる港町にも、銀髪の年配の魔女ニコラが居を構え、若い魔女七竈七瀬は同輩であるニコラを頼りこの街に仮の住まいを得る。

魔女と人間、猫、あるいは虹の橋を渡ろうとしている者、渡った者たちの優しくて、非常に可愛らしいお話が7編。

疲れ切っていた時にズビズビ泣きながら読んだ。

儚くなった後ではあっても、みんなの思いは報われているのがいいのかな。 悔いを残して死んだものや呪詛を孕むような話はなく、安心して読めるファンタジーだ。

魔女たちは、人の記憶からは消えやすく彼岸に渡ることなく消える自分たちを寂しく思っているようだけど、儚くなって魔女に近くなった人々からは、彼女たちが人に愛されている様子が伝わってくる。 それは魔女たちの「幸せになる呪い」が象徴するように、ニコラや七瀬が人の世界を愛し慈しんだ結果だ。 違う生き物だから、分かり合えないのかもしれないけれど、時々しか交われないのかもしれないけれど、こんな風に考えること自体が人側の論理なのかもしれないけれど。

彼女たちの寂しさが、和らぐといいと思う。

イラストが可愛くて気になっていた竜宮ホテルもそのうち読もう。

竜宮ホテル (徳間文庫)

竜宮ホテル (徳間文庫)

【読書463】心理的安全性のつくりかた 「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える

今、どうしても読みたかった本の一冊。

心理的安全性とは、Google社のプロジェクトの中で、効果的なチームの分析により見出された概念である。 効果的なチームとは、業務効率が良く、定着率の良いチームを指す。

Googleは2012年に立ち上げたプロジェクト・アリストテレスの中で、4年の歳月をかけ「効果的なチームは、どのようなチームか」を調査・分析しました。 Googleのリサーチチームが見出したのは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」だということでした。そして、さまざまな協力の仕方がある中で圧倒的に重要なのが「心理的安全性」であり、心理的安全なチームは離職率が低く、収益性が高いと結論づけています。

心理的安全性は、社内業務の効率や収益性の面のみから求められているわけではない。

多様性と包摂は、日本では大企業・公的セクターを中心に注目が集まり、取り組みが始まっているSDGsでも大きなテーマです。17の国際目標がありますが、これら国際目標の目的こそが「誰一人取り残さない(Leave no one behind.)」、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現23とされています。こうした目標に到達するためにも「④新奇歓迎」は重要性の高い項目です。

心理的安全性の担保は、SDGsに代表されるような企業に課せられる社会的責任、役割をいかに果たしていくかという点で、重要視されてよい着眼点だと思う。

ISO45001、労働安全衛生のマネジメントシステム規格が発行されたが、その中にはメンタルヘルスを含むとされており、職場環境の向上は、労働災害の防止同様にマネジメントの責任として要求される時代になりつつある。

部内で共有回覧される「部長対策マニュアル」が整備されました。「クライアントと一緒に部長報告に行けば、クライアントの前なので怒鳴らない」「基本的に他人の意見は否定するので、情報を用意して自分で結論・方針を思いつかせる」などの詳細な記載まであるマニュアルです。

自身の職場で心理的安全性が阻害されているという意識からに他ならないんだけど…、

同じ部署内でのチームの差を見る(例えば、営業1課と営業2課)だけではなく、「組織・チーム名と矛盾する結果」になってないかを見てみることも重要です。 例えば、①話しやすさの低い「品質保証課」、②助け合いの低い「看護チーム」③挑戦の低い「イノベーション室」、④新奇歓迎の低い「ダイバーシティ推進室」のようになっていたら、何かがうまくいっていないと考えられるでしょう。

最後の最後に、矛盾として例示されていて思わず笑ってしまった。

比較問題かもしれないが、自身が今までは心理的安全性が担保された職場に恵まれてきたことを自覚する良い機会となった。

それはそれとして、目の前の現実をどうすべきか、頭を抱える。

【読書462】見てわかる、迷わず決まる配色アイデア 3色だけでセンスのいい色

配色の本が欲しくてDMMブックスで購入。

テーマ別に3色での配色例が掲載されている配色集。 色の配分を変えた幾つかのパターンが、見開き1ページに1テーマとして載っている。

最近よくパワーポイントを作るので、配色のヒントにできないかと思い購入。

素人でも扱い易いがコンセプトなせいか、割と似た配色が多く感じた。 パステル系がメインなのか、読みにくいと感じる配色も多くて、パワポに応用するには少し難しい。 本書の配色は、基本的に文字を読ませることは想定していないんだと思う。 あくまで失敗の少ないデザイン優先型。

パワポ応用なら、5色くらいで考えた方がいいのかなぁ。 もう少しコントラストの高い配色が見たい。

ウェブデザインかビジネス向けの配色集を探すか…。

社内資料用としては下記も購入してある。

社内プレゼンの資料作成術

社内プレゼンの資料作成術

  • 作者:前田 鎌利
  • 発売日: 2015/07/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

↓は、読んだ時はあんまり参考にならない気がしていたけど、最近の自分の作ったパワポを見ると、影響を受けてた。 insolble.hatenablog.jp

分かりやすいって難しい。

【読書461】恐竜まみれ―発掘現場は今日も命がけ―

dmmブックスより。

愛好家の間ではダイナソー小林、研究者同士での愛称はファルコン・アイ。恐竜研究の第一人者である考古学者小林快次先生。

大量の書類による申請手続き、予定通りには飛ばない飛行機、今にも落ちそうなヘリコプター、キャンプの周辺を徘徊するクマ…、数々の試練を乗り越えて、目指すは発掘現場、恐竜化石な日々を描いた冒険エッセイだ。

いつもは化石を見て「これは○○という種類の仲間で、これまで発見されている場所は○○。世界的にも非常に貴重な化石と言えるでしょう」などと科学的な感想を述べるのが仕事だ。対して、「化石コレクター」の発言の基準は、自分にとっていかに綺麗か、いかにレア物かというところにあると思う。「化石コレクター」のモードになってしまうと、出て来るのは「スゲー! カッケー!」という感想になってしまう。

この人すごく信用できる感が伝わるだろうか? 恐竜がなんで好きなのかなんて、スゲー!カッケー!が真理だと思う。

敢えて言おう。もし進化の研究をしたければ、恐竜を研究する必要はない。いま生きている生物を対象にするほうが、観察もデータ獲得もうんとしやすいはずだ。

この方にとって、恐竜研究は結果なのだろう。 恐竜好きで化石が好きで発掘したり収集したり観察した結果、新事実が分かる。 純粋に、何かに夢中になれるのは凄い。

恐竜博2019の話が出てくるが、開催前に読みたかった。 2019は言ってないので、代わりに他の恐竜博のパンフレットを改めて眺めている。

クレイジージャーニー繋がり。

insolble.hatenablog.jp

洞窟オジさん

洞窟オジさん

電子書籍アプリとしてはKindleの方が使いやすい気がするが、慣れの問題もある。今のところストレスを感じるほどではないかな。

現段階でなんとなくKindleの方が優れていると感じているのは、下記。

ハイライトの使い勝手 シリーズ物でない場合に書籍を開くのがワンクリック *電池の減りが少ない?

機能的に使いこなせていないだけな気もする。 読んでばかりで、感想アップに繋がってないけど、読んではいるのでゆっくりアップして行きます。

【読書460】Another 2001

Another 2001

Another 2001

ずっと読みたかったAnotherの続編がdmmの70%オフでようやく読めた。

ストーリーとしては割とシンプルで分かりやすい。 夜見山中の3年3組には、ちょっとした呪いがかかっている。 始業式の日に不自然に一つ足らなくなる机。それはクラスに死者が紛れ込んでいるサイン。

死者が紛れ込んだ年、クラスは厄災に見舞われる。 一月に少なくとも1人以上、クラスの構成員かその二親等以内の血縁者が、通常ではあり得ない形で死に続けるのである。

オチが読めるという感想も見かけたけど、それも含めて、次は自分かもしれない恐怖を楽しむのがAnotherだと勝手に思っている。しかし、本作の主人公である想が、事件を目前にして倒れたりはするものの、性格としては落ちて腹を括っているので、怖さは少ない。

作中では自然災害のように扱われている厄災だけど、生じる現象になんとなく性格を感じる。 力が及ぶ範囲が限定的だったり、死者の設定に矛盾が生じていたり、そもそもいないものを設定すると騙されてくれちゃうとか、なかなかにどじっ子感ある。 影響範囲のことを考えると、制約によって局所的に力を強めているのかな。時間の経過やあるいは厄災が途中停止することで厄災自体の力が弱まったりするのかな? そもそも発生が不定期なので、発生させるにはエネルギーが必要で、かつ大量の死者をもって何かを補給しているとかか?

いないものの効果についてもちょっと疑問。 今回の想の件から思うに、判定がかなりシビアというか気まぐれな感じがする。過去の成功例はよく成功できたなという…。 死者についての記憶が薄れることから想像するに、実は4月の早々に死者が死に返るパターンとかだったんじゃないだろうか。 発生していない年も、単に先に死者が死に返ってしまっているだけの時がありそう。 ランダム発生に見えるのはその結果とか。

厄災による致死率ってどのくらいなんだろうか。 なんとなく黒幕感があるあの人なら調べていそう。

ひぐらしの鳴く頃にではないけど、試行回数が増え、抜け道というか対策が編み出され、今回に至ってはキーパーソンである鳴が、死者を死に返したことで、厄災ちゃんは結構なピンチだよねぇ。

例えば鳴が夜見山を離れて、記憶の劣化を防ぐ。 4月の頭に3年3組になったメンバーの全員の写真を見ることで、死者が誰か分かる。 死者がいる場合は鳴が死に返し続ければ、鳴の記憶の保持を強化しつつ、延々と厄災潰せるんじゃ…?

もし、3年3組全員がいないものとして振る舞ったらどうなるんだろうか。 倍の人数になっちゃうの??

初読が8年前。 insolble.hatenablog.jp

Kindleの未読本がようやく110冊をきりそうだったのに、DMMのセールで結局60冊くらい買ってしまった。

半年分の書籍購入のつもりだけど、積読にならないようにサクサク読んでいきたい。