心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【読書076】おしまいの日

「おしまいの日」>(新井素子/中公文庫) ずっと読んでみたかった新井さんの本。 多忙な夫忠春と、依存心の強い妻三津子。結婚七年目。夫は一流企業の出世頭。都内に一戸建ての借家を借りて、夫婦仲はよく幸せなはずな家庭。 三津子の体調の変化をきっかけとし…

【読書075】おやすみ、こわい夢を見ないように

「おやすみ、こわい夢を見ないように」(角田光代/新潮文庫) 「予定日はジミー・ペイジ」が面白かったので、角田さん二冊目。 全く関係ない女たちの悪意が露呈していく。サスペンス的な7編の短編集。 根拠のある、根拠のない、明確な、唐突な。 あれだけ悪意…

【読書074】The Indifference Engine

「The Indifference Engine」(伊藤計劃/ハヤカワ文庫JA) 伊藤計劃の短編集。 表題作の「The Indifference Engine」は「虐殺器官」のスピンオフで、グロ描写有のSF。 「セカイ、蛮族、ぼく。」とか秀逸すぎる。記号としてのキャラクタライズ。 もともとは同人…

【読書073】まほろ駅前多田便利軒

「まほろ駅前多田便利軒」(三浦しをん/文春文庫) 第135回(平成18年度上半期)の直木賞受賞作品。 東京のはずれに位置する「まほろ市」。その駅前にある便利屋「多田便利軒」の主人多田と、転がり込んできた多田の高校時代の同級生、行天。 二人を中心にした…

【読書072】いまこそ知りたい、イスラム

「いまこそ知りたい、イスラム」(Pen+別冊/2012/5/17号) 10月末くらいに、トルコ旅行を予定しているため、トルコ・イスラムブーム中の私。 美しいモスク、幾何学的な配列、優麗なアーチ。眺めて楽しく、相当お気に入りの雑誌。 正直、内容はちゃんと読んでい…

【読書071】予定日はジミー・ペイジ

「予定日はジミー・ペイジ」(角田光代/新潮文庫) 流れ星、直感、そして始まる妊娠生活。 新米妊婦のマキの戸惑いが日記形式で語られる。 現実感なく、体内で育っていく何か。妊娠初期の妙な衝動。不安感を体現するような夢。 己以外のテンションと、自分のテ…

【読書070】家守綺譚

家守綺譚 (新潮文庫) 作者:香歩, 梨木 発売日: 2006/09/28 メディア: 文庫 分筆家の私、綿貫征四郎と、庭付きの日本家屋を舞台にした随筆風の小説。 私に懸想するサルスベリ。ボートで掛け軸から現れる亡友。犬のゴロー。小鬼に人魚、四季折々に出没する数多…

【読書067】【読書068】「鬼やらい」<上><下>【読書069】花守鬼

前作「一鬼夜行」の続編。二作目、三作目。 まずは「鬼やらい」から。 「鬼やらい〈上〉」「鬼やらい〈下〉」 (小松エメル/ポプラ文庫ピュアフル) 前作から半年後、相変わらずの閻魔顔の喜蔵、妹の深雪にへたれ幼馴染の彦次。彼らのもとに猫又妖怪の小春が再…