心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【読書136】跡形なく沈む

「跡形なく沈む」(D.M.ディヴァイン/創元推理文庫) ミステリではなく、ヒューマンドラマとして評価できる一作。 タイトルは、最期まで読めばなるほどと思わなくもないが、伏線がないためやや無理やり感がある。 登場人物が多い点と、三人称小説ではあるが視…

【読書135】昆虫食入門

「昆虫食入門」(内山昭一/平凡社新書) うっすらとした"エビ風味"とでも言おうか。それが普通の虫の味(18ページ) そうか。一般的な虫の味があるのか。そうか。 昆虫食が文化的に遠いものになっている自分にとって、なかなか衝撃的な一文だった。 表紙の後にカ…

【読書134】遠い幻影

「遠い幻影」(吉村昭/文春文庫) 別の吉村昭作品のレビューを書いた際、コメントからご紹介いただいたので読んでみました。 吉村昭さんの現代劇を集めた短編小説集。 解説には「人生の一瞬の揺らぎを捉えた十二の傑作短編集」とあるけれど、まさしく揺らいだ…

【読書133】おさがしの本は

「おさがしの本は」(門井 慶喜/光文社文庫) 主人公の和久山は、図書館レファレンスカウンター勤務の堅物公務員。 短大生のレポート本探しに、思い出の本探し。研修名目の難題本探し。 図書館を舞台に繰り広げられる本探し短編連作集。 図書をキーに、事件が…

【読書132】ガンジス河でバタフライ

「ガンジス河でバタフライ」(たかのてるこ/幻冬舎文庫) 筆者が20歳頃にかけてした旅を振り返って書かれた一冊。 香港-シンガポール-マレーシアを経てシンガポールを旅するアジア編とひたすらインドをめぐるインド編の2章立て。 最初に巻末の筆者年表の様なも…

【読書131】死と神秘と夢のボーダーランド: 死ぬとき、脳はなにを感じるか

「死と神秘と夢のボーダーランド: 死ぬとき、脳はなにを感じるか」(ケヴィン・ネルソン/インターシフト) ※「本が好き!」様より献本いただきました。 「医学の古い格言に、物事に関する知識の量を量るには、それを主題にした文献の量を見ればよい、とある。…

【読書130】私は障害者向けのデリヘル嬢」

「私は障害者向けのデリヘル嬢」(大森みゆき/ブックマン社) 「セックスボランティア」などで徐々に認知されるようになってきているとはいえ、タブー視されがちな「障害者の性」の問題。 それを「障害者専門」という会員制デリバリーヘルスで働いていた筆者の…

【読書129】食糧の帝国―食物が決定づけた文明の勃興と崩壊

食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊 (ヒストリカル・スタディーズ)作者:エヴァン・D・G・フレイザー,アンドリュー・リマス発売日: 2013/02/01メディア: 単行本 食糧交易網の発達をベースとして栄華を誇る文明「食糧帝国」。 過去から現在に至るま…

【読書128】いざ志願! おひとりさま自衛隊

「いざ志願! おひとりさま自衛隊」(岡田真理/文春文庫) 酔った勢いで予備自衛官になるために予備自衛官補の採用試験を受け、予備自衛官補訓練を受け、実際に予備自衛官補として登録されている女性の体験談がいわゆるブログ的な文体で書かれている一冊。 軽く…

【読書127】累犯障害者

「累犯障害者」(山本譲司/新潮文庫) 知的障害、ろうあ者といった障害者をメインに罪を重ねる障害者と福祉行政が抱える問題を扱ったポタージュ。 犯罪者になってしまった側を扱っているので、現行の福祉行政の利点や効果より欠点が大きく取り上げられる内容に…