心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【読書273】海の翼

「海の翼」(秋月達郎/新人物往来社/守谷中央図書館所蔵) 「いいでしょう」 ビルセルは、即座に快諾した。 「至急、日本人を救うための航空機を派遣してもらえるよう、本国に電報を打ちます」(109ページ) たったこれだけのセリフに、思わず涙がこぼれそうにな…

【読書272】文明は農業で動く

「文明は農業で動く」(吉田太郎/築地書館/茨城県立図書館所蔵) 近代農業は石油で動く工業だ(2ページ) 化学肥料と農薬、販売種子に依存し、多量の水を消費する現代農業への批判とともに、「持続可能な農業」が叫ばれて久しい。その言葉自体、手垢にまみれた感…

【読書271】乾物と保存食材事典

「乾物と保存食材事典」(星名桂治/誠文堂新光社/ひたちなか市立図書館書蔵) 電子版でも図書館でもなく、紙の本を買って、手元に置いておきたい本である。とても面白い本だから、と言うわけではない。 タイトルからも明確であるが、本書は日本国内のものを中…

【読書270】おとぎ話の生物学

「おとぎ話の生物学―森のキノコはなぜ水玉模様なのか?」(蓮実香佑/PHP研究所/ひたちなか市立図書館書蔵) かちかち山や桃太郎、白雪姫…。おとぎ話の世界には、現代の常識でははてなマークが浮かんでしまうような設定があふれている。寿命を閉じ込めた玉手箱に…

【読書269】福袋

「福袋」(角田光代/河出書房新社/ひたちなか市立図書館所蔵) 開けてみるまで、中に入っているのが福なのか鬱なのかわからない。人は福袋のようなものを持って生まれてくるのかもしれない。本書は8編の短編集である。 預けられた箱、家の前に放置された紙袋、…

【読書268】自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝

「自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝」(/紀伊國屋書店/ひたちなか市立図書館所蔵) 使命感、知的好奇心、自分への挑戦…などなど。動機は様々なれど、なにかに突き動かされて己の身体で実験し始める人々がいる。 患者の血液を接種して死に至った医師、…

【読書267】トルコの幸せな食卓

「トルコの幸せな食卓」(洋泉社/ひたちなか市立図書館所蔵) オリーブ、チーズ、ヨーグルト、ラク、羊に鳥。メロンにイチジク。豊富な生鮮食品に、豊富な家庭料理、屋台料理の数々。 「私が支配者だったらこの土地が欲しい!」 それが私がトルコを旅行した際…

【読書266】空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

「空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」(角幡唯介/集英社/ひたちなか市立図書館所蔵) プロローグを読み終えた時、なんだかドキドキした。 極上の冒険小説の、あるいは、歴史上の大冒険家の手記の、序章読み終えた気分、とでも言おうか…