心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書278】気候が文明を変える

気候が文明を変える」(安田喜憲/岩波書店/ひたちなか市立図書館書蔵)

 

環境考古学的見地から、文明の繁栄と衰退を論じた一冊。

古い本ながら、現在の流行りである複雑系としての文明論に通じるエッセンスがたくさん含まれている。

 

花粉分析は古典的手法ながら、環境考古学の基本となる手法である。

正直、花粉分析だけでそこまでのことがわかるのかと驚いた。

その時代に生育していた植物から栽培作物がわかり、森林の荒廃や回復といった状態がわかり、その時代の気候条件がわかる。

その結果からは文明の繁栄した時期に、畑や森林はどうゆう状態だったのか。そして衰退の時期に、畑や森林はどう変わってしまったのかが考察できる。

 

人口の増加に伴い畑や森林は過剰使用状態になり、地力や森林の持つ力が低下する。当然、栽培作物の収量は落ちるが、すでに増えてしまっている人口は急には減らない。自明の理として飢餓が起こり、そこに気候条件の変化が追い打ちをかける。

文明が衰退し、森林は力を取り戻す。

人間の側も、痩せた土地で栽培可能な作物を見出し、別のまた文明が栄える。

 

「食糧の帝国」で語られる文明の繁栄と衰退のモデルと、本書で語られるモデルが脳内でリンクする。

環境考古学に興味がわいた。