【読書380】墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活
8月最後は多読している方にはお馴染みのニューベリー賞受賞作品。

墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活 (角川文庫)
- 作者:ニール・ゲイマン
- 発売日: 2019/02/23
- メディア: 文庫
ずっと英語で読もうか迷っていた邦訳が安くなっていたのでうっかり。 夏休みの冒険小説としてはまぁまぁかな。
まだ赤ん坊頃に両親を殺され、運良く逃げ込んだ墓場で死者に育てられた少年ノーボディ。 本作はノーボディが死者や、死者でも生者でもない者や、生者と交流しながら最終的に悪の組織を壊滅させる冒険譚だ。 解説にもあるとおり、「捨て子」型神話、貴種流離譚である。
死者に匿われる生者というイレギュラーな立場のノーボディが、成長するに従って生者と交流し自分の立場の微妙さからトラブルに巻き込まれていくのが見所。 異世界冒険ものとしての面と、現実的な人間関係の悩みという面の二本柱がある。
「なぜ墓地から出てはいけないのか──『なにゆえ』はこのごろの言葉ではないから、『なぜ』といいなさい──
こういうの、英語で読んでみたい。
英語のjackにはいろんな意味がある。一般に男や男の子をそう呼ぶこともあるし、仲間のことを指すこともある。ほかにも船乗り、使用人、労働者、警官なんかの意味に使われることもある。それからジョンやジェイムズやジェイコブという名前の愛称も「ジャック」だ。そういえば、トランプのジャックもこれ。片目のジャックといえば、スペードのジャックだ。 (中略) とにかく「ジャック」という名前は、民話や童謡や詩、いやいや、ごく日常の生活でも、いろんなところで、いろんなふうに使われているのだ。それをうまく、ときには茶目っ気たっぷりに楽しく使っているところが、この作品のひとつの魅力になっている。
この辺は文化の理解がないとピンとこない。私のレベルでは「へー?そうなんだ?」といった感じ。

- 作者:Gaiman, Neil
- 発売日: 2010/09/28
- メディア: ペーパーバック
多読を意識して読んだものの、ニール・ゲイマンは「コラライン」を挫折中の身としては、ちょっとハードルが高い。 英語でどう書かれているか気になる部分はあるんだけど、残念ながらそんなに好きじゃなかったので、英語では読まない気がする。
内容が大人っぽくてあまり長くない児童書はないかなぁ。