心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

【読書395】償いの雪が降る

多読でも未読消費でもビジネス書でもなく、純粋に以前から読んでみたかった本を買った。 打算のない完全娯楽な読書は、意外と久しぶり。 ー

機能不全な母子家庭、自閉症の弟をもつ苦学生のジョーは、身近な人物の伝記を書くという課題のために介護施設を訪れた。インタビュー対象として紹介されたのは三十数年前の少女暴行放火殺人で服役していたカールだった。 末期がんで仮釈放され今際の時を過ごすカールは、臨終の供述を通じて全て真実を話すとジョーに持ちかける。 カールの言葉の裏付けをとるために過去の裁判資料を取り寄せ、調べるうちにジョーはカールの有罪を疑い始める。

割と色々な賞を受けたらしいスリラー。 山山山、みたいな感じで、読んでいてぼちぼち終わるかな、と思ってもまだまだ先があった。 勧善懲悪のハッピーエンドなので、読後感もまぁまぁ良い。

現代劇なんだけど、全体的に一昔前、自分が学生だったころを彷彿とさせる。スマホじゃなく携帯電話だったりするからだろうか。

自閉症?」彼女は言った。「ええ、わかってる。わたしにも、自閉症スペクトラムのいとこがいるから。彼もジェレミーみたいな感じなの」

なんとなくこのセリフに違和感があるんだけど、原文はどんな感じなんだろう?

スーパーマンがラガディ・アン(素朴な赤毛の女の子のぬいぐるみ)の(もしラガディ・アンがストリッパーであるならば、だけど)お尻をつかみ、彼女の恋人、ラガディ・アンディがその〝鋼の男〟を殴り倒したのだ。僕はラガディ・アンディを店外へと追い出した。ラガディ・アンは僕たちのあとから外に出てきて、通り過ぎしな、僕ににっと笑いかけた。

こうゆうのビックバンセオリーで見たわー。 海外ドラマが文化理解を助けるっていう先人たちの教えは正しい。

僕たちはアンディ・フィッシャーを、フェイスブックの彼の高校のページの同窓会名簿で見つけた。

アメリカ人て今でもみんなFacebookやってるの?

車を走らせてくる途中、僕たちはウォルマートに寄って、DNA鑑定キットをひとつ買っていた。綿棒三本とサンプル用封筒と頰の内側から粘膜細胞を搔き取る方法の説明書が付いているやつだ。

ウォルマートにはそんなものまで売ってるのか。

原題The Life We Bury、葬る人生でいいのかな。邦題より原題のほうがよいタイトルだと思う。

The Life We Bury

The Life We Bury

  • 作者:Eskens, Allen
  • 発売日: 2014/10/14
  • メディア: ペーパーバック

翻訳が微妙にイマイチなんじゃないか疑惑が少しあったので、もっと読めるようになったら続編を原著チャレンジしてみたい。

翻訳スリラーだったら「沼の王の娘」の方が良かったかな。 こっちはもっと本格的なサバイバルシーンがある。