【読書454】トウェイン完訳コレクション アーサー王宮廷のヤンキー
久々に紙の本。お風呂読書用。積読ではあるのだが、KindleではないのでKindleの未読は減らず。
お風呂で読むのはだめだった。 面白くて止まらない。章立てが細かめなのを良いことに、あと一章、もう一章を繰り返してついつい長風呂になってしまった。
アーサー王の時代にタイムスリップした技師が現代(作品が書かれた1880年代)の科学知識をもとに火薬や電話など数々の発明を魔法として、アーサー王の王国で成り上がっていくサクセスストーリー。
以下、ネタバレ含む。
現代アメリカにいたはずの主人公が目覚めたのはアーサー王時代のイギリスだった。 捕虜として捕らえられた主人公だったが、暦の知識から日蝕が数日後に迫っていることを知る。 あわや処刑というタイミングで日蝕を魔法として一芝居うつことで、難を逃れた主人公。
現代とは異なる野蛮な風習、成熟していない文化にうんざりしながらも、その地での地位を確固たるものとしていく。
科学を魔法のように操り、いくつかの奇跡を起こし、一度は世界を掌握し、また騎士文化の滅亡後の世界すらも掌握しかけた主人公が、最後は仇敵マーリンの魔法に倒れるというオチも秀逸。
一方で、全体のテーマでもある未開の人々を教育しよう、レベルアップさせようという思想がすごく欧州人的だと感じた。 崇高な目的のために、様々に計画し暗躍するのは、歴史上と同じだろうか。そう思うとやや薄寒い気持ちになる。
トムソーヤも、きちんとした翻訳を読んだらもっと面白いのかもしれない。
語彙制限本はあんまりだったけど、たぶん比べちゃだめ。 insolble.hatenablog.jp