心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書223】FLOWER

 

2007年、国立科学博物館の特別展「 花 FLOWER~太古の花から青いバラまで~」のパンフレットだが、花の構造から花卉栽培の歴史、品種改良の現在まで幅広くまとめられている。

 

展示自体は植物分類学の祖であるリンネ生誕300年を記念して行われたもの。

当時の展示の目玉はもちろん青薔薇でしたが、実物はちょっと萎れかけてブルーというよりは青みがかった紫だったと記憶している。(行ったタイミングが悪かったのもありそう。)

 

6万年前の洞窟遺跡の花粉分析から、ネアンデルタール人が死者に花を手向けたという説が知られています。(4ページ)

遺跡から色とりどりの花粉の痕跡が発見されたらしい。死者を悼む花だという人もいれば、薬草だという人もいる。

そもそも死者へ花を手向けるのは万国共通なのか?

 

植物は可視光を吸収する緑色や赤色、黄色といった普通の色素だけではなく、紫外光を吸収する物質を持っている。(52ページ)

人の目には見えない花色も存在するそう。

 

乾燥という特殊な環境下で、まったく類縁関係のない植物同士が同じような形状を持つことでそこの環境に適応することを収斂進化という。いわば“他人の空似”である。サボテンと多肉ユーフォルビアはその典型といわれる。(93ページ)

考えてみれば当たり前だけど、植物でも収斂進化があるんだなぁ。

 

トルコギキョウはリンドウ科ユーストマ属に含まれ、原産地は北アメリカ大陸の中西部からメキシコ湾沿岸にかけてである。本来の性質は、秋に稔実した種子が地上にこぼれて越冬し、翌年の5月頃気温が上昇してから発芽する。自生地は雨が少ない乾燥地で、昼夜の気温格差が非常に大きい。このような過酷な環境条件に対応するため、生育初期にはロゼットという地面に這いつくばった形となって夏から冬まで経過する。

128ページ)

トルコギキョウがロゼットするとは知らなかった。栽培品種と野生種で全く異なる形状になっている例は沢山あるのだろう。

 

キク属植物の基本染色体数は9で、栽培ギクは染色体数が54の六倍体とされるが、幅広い異数性を示す。染色体数が奇数である品種も数多く存在するが稔性にはあまり影響しないなど、他の植物にはみられない大きな特徴がある。キクは挿し芽によるクローン増殖が可能で、あるので、育穏はたくさんの交雑実生の中から優れた個体を選び出す品種間交雑が一般的である。(155ページ)

キクって倍数体なのか。知らなかった。しかも挿し芽で育つとは。

菊の品種が多様な理由がわかった気がする。

 

引っ越し準備の際に本棚の奥から発掘して改めて眺めたが、綺麗な写真、簡潔で必要十分の説明書きと満足度の高い一冊だった。

 

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