心ゆくまで崖っぷちで読む本

多読してTOEIC430点から630点を目指すブログ

【読書371】極北に駆ける

これも一度は挫折した本。初っ端に嫌にならなければある程度は頑張って読むのだけど、どうやら5-7割くらいのところで挫折する傾向にある。

新装版 極北に駆ける (文春文庫)

新装版 極北に駆ける (文春文庫)

この本に関しては挫折した理由も覚えている。覚えているだけに、読了を目指すか躊躇った。 端的にいうと、書き手の性格がね…、である。

解説の大島育雄は次のように書いている。

自分はこういったことをしてきた、できる、という強いアピールがないと、次の冒険への扉を開くことができません。

人の好き嫌いにはとりあえず目をつぶって読み切った後に、目にしたこの解説が一番の理解の助けだったかもしれない。

内容は南極横断という大きな目的へのステップとして、エスキモー達の北極圏を独り、犬橇で走破した冒険記である。 うーん。自分でもびっくりするほどハイライトしていない。 唯一がキビアに関する下記である。

ターツガの指さすほうを見ると、なるほど腹をぬいあわせたアザラシが一頭ころがっている。皮下脂肪だけを残したアザラシのなかには、黒い羽毛がついたままのアパリアスという小鳥が四百羽ほどつめこまれているのだ。奥さんはかたく凍ったアザラシの腹を裂き、アパリアスをとり出してわたしてくれた。凍ったアパリアスがだんだんにとけていくにしたがって、ブルーチーズのような強烈な臭いが部屋中にひろがってゆく。糞の臭いに似ていないこともない。私はゴクリとのどをならした。これがじつにうまいのである。私はアパリアスを両手でつつみ、冷たいのをガマンして臓物がとけてくるのを待つ。手でおさえてやわらかくなったところで、アパリアスの肛門に口をあて、手でしぼり出すようにして中身を吸うのだ。ちょうど冷たいヨーグルトのような味の赤黒い汁が口のなかいっぱいにひろがり、なんともいえないうまさだ。中身が終わると羽毛をむしり、皮や黒く変色している臓物、肉と食べてゆき、最後に頭を歯でくだいて脳ミソを吸う。口のまわりは黒い血でベトベトである。アザラシの皮下脂肪の浸透したアパリアスほど臭いが強く、うまい。私が日本に帰って一番食べたいと思ったのは、鯨の皮でもアザラシの肝臓でもない、このキビアであった。今でも月に一度くらいはこのキビアの夢を見る。

長々とした引用になったが、キビアは食べるのに勇気がいる食べ物のトップランクだ。味を含めて詳細に書かれているのはそこそこ珍しい。

植村が旅してから40年。地球温暖化や文明化の影響をうけ、彼が旅した極地はもうない。

北極探検だったらこれが一番好き。 insolble.hatenablog.jp

【まとめ】暑い日でもひんやり 極地探検本

はじめに

暑い夏こそひんやり涼しい極地探検本をどうぞ。
基本は北極か南極。キーワードは実録。
遭難、探検は問わないけれど、ファンタジーやフィクションではなく、誰かが体験して、(できれば)生還した話。

南極

まずは南極探検から。ペンギンがいる方が南極。

外せないのが、南極圏で遭難したのに、きっちり全員生還した伝説のシャクルントン隊。シャクルントンの手記に基づく一冊。

簡潔な方がよければこちらもおすすめ。
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アムンセン隊と南極点への到達レースをして、最終的に全滅したスコット隊。死に向かう様子は切なくなる。

アムンセンとスコットの戦いについては簡単な英語でも。
insolble.hatenablog.jp

現代の南極基地の様子を、料理人の立場からみたエッセイ。映画化もされてた。
insolble.hatenablog.jp

北極

実は南極に比べて、北極ものは読んでない感じがする。
北極の醍醐味は犬橇と北極熊の恐怖。なんとなく南極よりもシビアな状況になりがちなイメージ。

現代だと、大好きな角幡唯介さん。
insolble.hatenablog.jp

ノルウェー人ナンセンが北極点を目指した冒険。

未読だけど読みたい。面白かったら教えてほしい。

極北の夢

極北の夢

北極・南極以外

ちなみに寒いのは別に極地だけじゃない。

世界有数の極寒都市ヤクーツクを訪れたフォトエッセイ。
insolble.hatenablog.jp

史実をもとにしたフィクションなので、厳密には対象外なんだけど、遭難してかなり寒い思いもしているのがこちら。
insolble.hatenablog.jp

エベレストのシェルパを描いた児童書。

終わりに

まとめてみたら、やっぱり結構読んでたけど、書評していないものもちらほら…。
面白いものがあったら教えてください。

[多読]The Magic finger

多読39冊目。

The Magic Finger (English Edition)

The Magic Finger (English Edition)

久々のロアウド・ダール。多読開始直後に読んで以来かな。 ダールにしては造語が少なく、話自体も短いのであっという間に読めました。

ダールらしく、よく言えば教訓的、ちょっと説教くさい。

狩りを趣味しているグレックさんと2人の息子。 グレック一家はお隣の家の少女の魔法の指で鳥にされてしまい、ハンティングされる側の気持ちを思う存分味わう羽目になる。

鳥になったグレック一家の人たちは体が小さく腕が羽に変化する。 グレック一家と入れ替った鳥たちは逆に羽が手になっている。絵を見るとシュール。 鳥をキャラクタライズするものは羽かもしれないけど、人間側は手じゃない。

この手のもはたんのくんにしか見えないから柴田亜美からのトラウマは深い。 f:id:dino-cross:20200719071807j:plain

造語が出てきたのはこの一説くらいかな。

‘Don’t worry,’ she said. ‘I can mince it all up very fine and you won’t even know the difference. Lovely slugburgers. Delicious wormburgers.’

鳥になっても虫やなめくじを食べるのは嫌だと泣く息子たちに対するお母さんの台詞。 お母さん、そういう問題じゃない。 そして子どもの好き嫌いに頭を抱えて調理法でなんとかするのは万国共通か。

調べてみたらダールは記念すべき多読1冊目だった。 insolble.hatenablog.jp

実はそろそろマチルダも読めるんじゃない?

Matilda

Matilda

  • 作者:Dahl, Roald
  • 発売日: 2007/08/16
  • メディア: ペーパーバック

【読書370】物語 ラテンアメリカの歴史 未来の大陸

いつから読みかけなのか分からない…。 残り4割くらいだったので、とりあえず頑張って読み切った。

ラテンアメリカの歴史をその地域の成り立ち、恐竜とゴンドワナ大陸から20世紀後半までざーっと紹介する。なんとなく、挫折したのは近代史に入って興味が失せたせいだろうと思う。

また 、アンデス山脈はその中央部 、すなわち現ペル ー南部およびボリビアにおいて最高の幅 (七五〇キロメ ートル )となり 、山間高地や盆地が発達している 。熱帯にあるため氷に閉ざされることなく 、一年中居住可能であり 、そのためのち人間が住むようになってから 、標高三〇〇〇メ ートル以上の高地に数百万の人口が密集して文明をいとなむという 、世界でもまれな現象がおこった 。

うん、絶対この辺読んでた時は楽しく読んでたと思う。

ところが 、アメリカ大陸からは 、猿人にせよ 、原人にせよ 、ネアンデルタ ール人にせよ 、古いヒト科の動物の化石はいっさい発見されていない 。ということは 、一五世紀末にヨ ーロッパ人たちが到着したとき住んでいたアメリカ大陸およびその周辺諸島の住民たちの祖先は 、ホモ ・サピエンス ・サピエンスであったということだ 。

これは、ヒト科にとってアメリカ大陸が文字通り新世界であったことを示す。

なお 、家畜についていえば 、旧世界の古代文明とくらべて貧弱だった 。ウマ 、ウシ 、ヒツシ 、ヤギ 、ブタ 、ニワトリなどはおらず 、メソアメリカのシチメンチョウ 、アンデス地方のリャマ 、アルパカ 、クイなどに限られていた 。

家畜の話はジャレド・ダイアモンド銃・病原菌・鉄 上巻」なんかでも言及されてたかな? もっている家畜によって、文明の富裕度は異なる。

しかし、他の文明からの影響をあまり、またはまったく受けなかったという点では、メソポタミア文明アメリカ大陸の二文明が似ている。メソポタミア文明は、他にさきがけて発展したゆえに、オリエント世界でいちばん独自性が強い。メソアメリカ、中央アンデス文明は、アメリカ大陸の孤立した環境で育ったために、他からの文化的影響がほとんど感じられない。まったく関係のない、異なった環境で育ったにもかかわらず、メソポタミアと古代アメリカの文明のあいだには、いくつかの興味深い類似点が認められる。

生物による収斂進化のようなことが文明においても起こる。 どちらも神殿が中心となって都市国家が形成されていくのである。

残されたページとハイライトから、挫折時の自分がヨーロッパ人の流入から近代にすすむに従って興味を失っていったのがありありと想像できた。 後半はなー。ラテンアメリカという大きな括りで語っているが、歴史の中でその地域の中に多数の国が存在しそれぞれに異なる動向を示していくので、読んでいて混乱する。 キーパーソンと出来事のみが簡潔に紹介されて進んでいく、非常に教科書的な読み物になっちゃっているんだよなぁ。 たぶん、↓の派生で読み始めたと思われます。 insolble.hatenablog.jp

【読書369】アマニタ・パンセリナ

再読。果たして何年ぶりなんだりうか。

アマニタ・パンセリナ (集英社文庫)

アマニタ・パンセリナ (集英社文庫)

自分の中でバンドマン兼作家の枠の人は大槻ケンヂ中島らも町田康の3人なんだけど、圧倒的に大槻ケンヂが好きで、次点が中島らもである。

幻覚サボテンを恐る恐る摂取してゲロって残ったサボテンを愛でるのが大槻ケンヂ。 ちゃんと加工して、何度かはチャレンジして一応結果を得るのが中島らも

そんな中島らもの薬中ドラッグエッセイは妙に哲学的である。

たぶん、生きるべくさだめられている人はそういう風になるのだろう。死ぬ人間もたくさんいるのだから。 そうなのだろうな、と思う。そこに意味を見いだせるかは別にして、生きる者は生きるし、死ぬ人は死ぬ。

ドラッグに関する文章をこうして綴っているが、僕はドラッグには貴賤がある、と思っている。(中略)  加えて言えば、ドラッグとは、シャブも含めて、ただの物質である。ただの物質に貴い物質もいやしい物質もない。 物質自体には貴賎がないが、その使われ方、文化的背景などにより、貴賎はある、というのが主張であるが、それってドラッグに限らずだよなぁ。

時代感のせいもありフィクションなんだかノンフィクションなんだか分からない感じがたまらない。

オーケンがサボテンを食べる話はこちら↓。七年前か…。 insolble.hatenablog.jp