心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書019】雪の花

雪の花」(吉村昭/新潮文庫)

江戸時代末期、不治の病かつ人類の驚異であった天然痘に対抗すべく、種痘を広めようとした町医者の話。

ジャンルは歴史小説になるのかな。

本屋に平積みにされてコーナーが作られていたので薄めの一冊を購入してみました。

主人公の笠原良策は福井藩の町医者。

時代は医学が漢方医学、古医学から蘭方医学へ移行する初期。

本作品中、良策は、もちろん種痘の輸入に向けて政治的な働きかけも行う。

私財をなげうって、医療所の経営も行う。

現代的にみれば、医師であり経営者であり活動家でもある。

種痘という新しい技術を「妖術」扱いし、人々や、藩のお抱え医師達は現代的には愚かに見える。

だが、既存の価値観をぶちこわして、病気の原因ともなる種痘を自分の子に接種させる恐怖は如何ほどか。

そう考えると、主人公らの苦労は本当に計り知れない。

説明文的な文体で、慣れてしまえばさくさく読めるが、ちょっと人名が覚えづらい。

高校あたりの国語教科書に掲載されてても良いような文章。

読書苦手派には辛いかも。

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ところで、先日石川に行った時に判明したのですが、石川、富山、福井の位置関係完全に間違えて覚えていた。

四国山陰も相当あやしい。