心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書025】イルカ―生態、六感、人との関わり

イルカ―生態、六感、人との関わり」(村山司/中公新書)(岡崎中央図書館所蔵)

タイトルの通り、イルカについての新書。

イルカとクジラの違いから始まって、イルカに対する日本欧州の文化的背景、イルカの生態について広く浅くかかれている本。

入門書としては十分かな。新書としては読みやすく2時間もあれば読めてしまいます。

筆者はイルカとクジラの分け方として、歯の有無をあげています。

ヒゲクジラ類がクジラ、歯クジラ類がイルカ。

だいたいそれでいいと思うのですが、私は両者の間に厳密には違いはほぼ無いと思っています。

なんとなく大きいのがクジラでちいさいのがイルカ。元々は別の生物だと思われていたから、名前が二つあるけれど、実際非常に近い種。

海洋生物学が専門だけあって、イルカの学術的研究についてはある程度かかれているけど、文化的側面についてはなんとなく根拠が薄い感じを受けました。お話半分な感じ。この辺が知りたい方には物足りないかもしれない。

人間とイルカとの関わり合いの分析の一つとして、古今東西のイルカに助けられたエピソードについても掲載されているのですが、地元が掲載されていてちょっと笑った。

面白かったのはイルカの進化的背景。

イルカは海に住むほ乳類ですが、陸上ほ乳類では何と近いのか、もしくは他に類似のない独自生物なのか?

その回答が、イルカの近縁種は牛やラクダが含まれる偶蹄目。その中でも特にカバ。

近年は鯨偶蹄目なんて分類も提唱されているくらい近いみたい。

イルカが水中生活を選択したのは比較的新しい進化であると考えられる。

ちなみに淡水性のイルカもいる。

半水中生活を始めたカバのようなほ乳類が、徐々に水中生活に順応し、天敵のいない海域に生存域を適応するに至って爆発的に拡大した、というストーリーが成り立つ。

またイルカ類の生存域の拡大に伴い、それらをエサとするメガロドン(既に絶滅している)といった馬鹿でかい鮫が発生したりする。

天敵のいない生物は巨体化する傾向にあるが、史上最大の生物であるシロナガスクジラのエサはオキアミというエビに近いプランクトンだけど、実は地球上で最大級のバイオマスを持つ生物。

先日来ブームがきている恐竜に話が戻るけど、水生恐竜、水生は虫類にティロサウルスがいる。

水中生活の選択というのは大型生物にとってひとつの選択肢なのかもしれない。

首の長い独自の形状をしているけど、現代にも首の長い動物、キリンが存在している。

首を長くする生物にしても水生の生物にしても、特異な形質、特異な生活様式に見えるけど、多様性の一方向性で時々は発生する方向なのか。

進化の話は本当に興味深い。

興味は尽きないです。

これからイルカを知りたい、ちょっとだけイルカが気になった大人の方、に。

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