心ゆくまで崖っぷちで読む本

読む読む書く書く、時々考える(旧insolble)

【読書109】天使の卵

天使の卵 エンジェルス・エッグ」(村山由佳/集英社文庫)

 

進路に悩む予備校生、一本槍歩太(いっぽんやりあゆた)、精神科医、五堂春妃。春妃の妹で歩太のガールフレンド、齋藤夏姫。

悩んだ挙句、進路を決めかねて浪人が決定した春の日、満員電車の中で出会った儚げな女性春妃に心を奪われた歩太。

逃げるように電車を降りたことを後悔するうちに、歩は意外な場所で春妃と再開する。

 

悲しみや喪失が、人の死に起因するばかりなのは、安直だと思う。

正直、子供(中高生)向け。

同僚のおにーちゃんが中学生くらいの頃読んで感動した本らしい。その人がこの本を読んだ年代を考えるとまぁ、ありかな。

 

内容と直接の関係はないけど、メインの登場人物が、今でいうきらきらネームで読みにくい。

名前が本筋に影響するわけでもないし、わざわざ読みにくい名前にせずに「歩」とかにしてはいけなかったのか…?

 

ヒロインも春妃に夏姫て…。

個人的に、儚げな女性の名前に「妃」の字は無い。

文章として読む以上、名前、特に文字のもつイメージにどうしても引っ張られてしまう。

 

「無茶苦茶せつない小説が書きたい」というのが受賞時の作者のコメントらしいが、「ほーら!人が死んだら切ないでしょ!!」ってされているだけで切なくは無い。

 

感情と理性との板挟み、納得していたはずのことをいざ突きつけられて受ける衝撃など、人間の理屈ではない場面、感情面の表現は繊細な感じであるので、可能性は感じる。

 

村山さんの本は、もう一冊買ってあるので、それを読んで再評価かなー。