心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書314】壊れたおねえさんは、好きですか?

壊れたおねえさんは、好きですか?」(中村うさぎ/文芸春秋)

 

仕事も金もあるし、パートナーも、友人もいる。

だけど、自分には性的魅力がない?!

フェロモン、性欲、性的趣向。下ネタ満載のぶった切りエッセイ集だ。

 

整形やホスト通いといった行動、本作に描かれる性的なものへの考察は、性的魅力がない、というよりも、性的対象から外れていくことへの焦燥感を感じる。

加齢、閉経、更年期といった言葉がリアルさを増して、だがもう初老だし!と開き直るには微妙な年齢。

同じような焦燥感を抱く妙齢の女性は多いのではなだろうか。

 

テーマがテーマだけに読み手を選ぶ。本書に眉をしかめる人も多いだろう。

なんたって、枯れかけのおばちゃんの生々しい性の話なのである。

正直、私はちょっと気持ち悪い。

 

なかなか面白かったのは、醜悪コンプレックスの人魚姫考察だ。

魚の足という「醜い」容姿の自分。その醜さを捨てて、王子にアタックしようにも、かりそめの姿に声を失い、やがては自分か相手どちらかの命を捧げる羽目になる。

自己嫌悪を他者への恨みにすりかえなかった人魚姫はえらい

もし、人魚姫が、人魚の姿のまま王子にアタックしたら、ハッピーエンドはあったのだろうか。