【読書217】乙嫁語り(6)
この巻の乙嫁は少しきな臭い話。
以前アミルを連れ戻しにきたアミルの兄アゼル。
有力者に嫁いでいた娘が死んだことで、有力者との姻戚関係を失ったアミルの実家ハルガルにおける状況は、冬を目前に逼迫していた。
ロシア側に寝返ったという噂もある別の分家バダンと手を結び、大量の武器を持って街を責め立てようとする父。
苦悩するアゼル。
彼らなりの道理があり、彼らなりの筋がある。
本巻一冊を読むだけでも、平和な夫婦喧嘩、動きのある戦、何気ない日常の風景と、絶妙な心理ドラマ。
絵の精密さは見ての通りだが、ストーリー面の多彩さ、漫画としてのレベルの高さ。
手放しに上手いといえる作家さんだと思う。