心ゆくまで崖っぷちで読む本

読む読む書く書く、時々考える(旧insolble)

【読書108】谷崎潤一郎犯罪小説集

谷崎潤一郎犯罪小説集」(谷崎潤一郎/集英社文庫)

 

妄想の末の殺人、計画殺人、癖としての窃盗…犯罪に手を染める人々を描いた短編集。

谷崎作品初読なんですが、登場人物が変態ばっかりで、谷崎潤一郎という方は変態だったのかなぁと思いました。

 

『私』

寮内で多発する窃盗。その犯人であるという疑いをかけられた「私」。

疑いの目を向ける友人と、かばう友人。

一人称ながら淡々とした文章で叙述トリック的な一面を持つが、ミステリというよりは人間を描いた小説。

 

「犯罪」という単語からミステリやサスペンスを想像してしまったのだけど、「犯罪」というよりも「犯罪者」を描いていて、どちらかというとややブラックな人間劇。

どこかで「江戸川乱歩的」という感想を読んだのだけど、まさにそんな感じの一冊だった。

乱歩好きな人は一読してもいいかも。