心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

2012-01-01から1年間の記事一覧

(映画記録)「サウンド・オブ・ミュージック」

「サウンド・オブ・ミュージック」 映画2本目。往年の名作、世界名作劇場の「トラップ一家物語」ですよ。 母が好きだったので実家にビデオあったよ。劇団四季のミュージカルも見に行った記憶があるよ。 お転婆修道女のマリアが、トラップ家に家庭教師として…

【読書083】歪笑小説

「歪笑小説」(東野圭吾/集英社文庫) 小説業界の裏側を描いた連作集。短編で12話。 メインとなるのは二人の若手作家。片や新進気鋭の職業作家、片や自称ハードボイルド作家。 作家と編集者、豪腕編集長と売れない作家。売れてないのに引退会見をしたがる作家…

【読書082】魚神

「魚神」(千早茜/集英社文庫) 本土から隔離された島。イメージ的には明治とかその辺の時代の変革期の頃。 かつては一大遊郭が立ち並ぶ島で、遊女になるべく育てられた白亜と弟のスケキヨ。 隔離された空間に育まれた独自の文化。子供時代から大人になるまで…

【読書081】宵山万華鏡

「宵山万華鏡」(森見登美彦/集英社文庫) 京都の宵山祭りを舞台に、ある話の脇役が次の話の主人公になり、つながっていく連作中篇集。 正直、一話目の「宵山姉妹」を読んだとき、失敗したかなと思った。 実は、森見さんの作品では、以前、「夜は短し歩けよ乙…

【読書080】銀の匙

「銀の匙」(中勘助/岩波文庫) 作者の自伝的な回想記録風小説。夏目漱石大絶賛だったという一作。 伯母さんにひっついて引っ込み思案だった幼少期を描く前半と、感受性豊かに成長し、他者への攻撃性を内包し始める後半。 無理やりあけた開かない戸棚の中から…

【読書079】魔神航路

「魔神航路」(仁木英之/PHP文芸文庫) 「僕僕先生」シリーズ以来、注目している仁木さんの作品。 系統的には僕僕先生よりも、「千里伝」のほうが近い。 夏休み、主人公の信之は、故郷の海辺の町に戻ってくる。故郷の町をでて半年。旧友たちとの再会と、海遊び…

【読書078】水木しげるの雨月物語

「水木しげるの雨月物語」(水木しげる/河出文庫) 雨月物語(上田秋成)より「吉備津の釜」「夢応の鯉魚」「蛇性の婬」の三篇が、水木しげるの挿絵付きでまとめた一冊。挿絵が多く、構造としては絵本に近い。 雨月物語自体は、江戸時代の読み本で怪異小説9篇か…

【読書077】【読書078】Another(上)(下)

Another (上) Another (角川文庫) 作者:綾辻 行人 発売日: 2012/09/01 メディア: Kindle版 Another (下) Another (角川文庫) 作者:綾辻 行人 発売日: 2012/09/01 メディア: Kindle版 サスペンスホラー。間違ってもミステリではない。 主人…

【読書076】おしまいの日

「おしまいの日」>(新井素子/中公文庫) ずっと読んでみたかった新井さんの本。 多忙な夫忠春と、依存心の強い妻三津子。結婚七年目。夫は一流企業の出世頭。都内に一戸建ての借家を借りて、夫婦仲はよく幸せなはずな家庭。 三津子の体調の変化をきっかけとし…

【読書075】おやすみ、こわい夢を見ないように

「おやすみ、こわい夢を見ないように」(角田光代/新潮文庫) 「予定日はジミー・ペイジ」が面白かったので、角田さん二冊目。 全く関係ない女たちの悪意が露呈していく。サスペンス的な7編の短編集。 根拠のある、根拠のない、明確な、唐突な。 あれだけ悪意…

【読書074】The Indifference Engine

「The Indifference Engine」(伊藤計劃/ハヤカワ文庫JA) 伊藤計劃の短編集。 表題作の「The Indifference Engine」は「虐殺器官」のスピンオフで、グロ描写有のSF。 「セカイ、蛮族、ぼく。」とか秀逸すぎる。記号としてのキャラクタライズ。 もともとは同人…

【読書073】まほろ駅前多田便利軒

「まほろ駅前多田便利軒」(三浦しをん/文春文庫) 第135回(平成18年度上半期)の直木賞受賞作品。 東京のはずれに位置する「まほろ市」。その駅前にある便利屋「多田便利軒」の主人多田と、転がり込んできた多田の高校時代の同級生、行天。 二人を中心にした…

【読書072】いまこそ知りたい、イスラム

「いまこそ知りたい、イスラム」(Pen+別冊/2012/5/17号) 10月末くらいに、トルコ旅行を予定しているため、トルコ・イスラムブーム中の私。 美しいモスク、幾何学的な配列、優麗なアーチ。眺めて楽しく、相当お気に入りの雑誌。 正直、内容はちゃんと読んでい…

【読書071】予定日はジミー・ペイジ

「予定日はジミー・ペイジ」(角田光代/新潮文庫) 流れ星、直感、そして始まる妊娠生活。 新米妊婦のマキの戸惑いが日記形式で語られる。 現実感なく、体内で育っていく何か。妊娠初期の妙な衝動。不安感を体現するような夢。 己以外のテンションと、自分のテ…

【読書070】家守綺譚

家守綺譚 (新潮文庫) 作者:香歩, 梨木 発売日: 2006/09/28 メディア: 文庫 分筆家の私、綿貫征四郎と、庭付きの日本家屋を舞台にした随筆風の小説。 私に懸想するサルスベリ。ボートで掛け軸から現れる亡友。犬のゴロー。小鬼に人魚、四季折々に出没する数多…

【読書067】【読書068】「鬼やらい」<上><下>【読書069】花守鬼

前作「一鬼夜行」の続編。二作目、三作目。 まずは「鬼やらい」から。 「鬼やらい〈上〉」「鬼やらい〈下〉」 (小松エメル/ポプラ文庫ピュアフル) 前作から半年後、相変わらずの閻魔顔の喜蔵、妹の深雪にへたれ幼馴染の彦次。彼らのもとに猫又妖怪の小春が再…

【読書066】世界ぐるっと肉食紀行

「世界ぐるっと肉食紀行 」(西川 治/新潮文庫) 人によってはグロとしか取れないであろう文書・写真あり。 タイトル通り、筆者が世界各国(といっても割と偏りがある気がするけど)を食べつくす一冊。 牛、羊、内蔵系等々。 私個人は、獣臭いのが苦手なので、食…

【読書065】ちょんまげ、くろにくる ぽんぽこ もののけ江戸語り

「ちょんまげ、くろにくる ぽんぽこ もののけ江戸語り」(高橋由太/角川文庫) 「ぽんぽこ もののけ江戸語り」シリーズの三作目。 前作の後編にあたる。ジャンルは時代妖怪物のラノベだと思う。 戦闘シーンが多いけど、爽快感があってよし。ただ、キャラクター…

【読書064】「科学の謎」未解決ファイル

「「科学の謎」未解決ファイル」(日本博学倶楽部/PHP文庫) 品目数は多いけど中身は考察が薄く本当に流しているだけな印象。 知らないネタが少なかったのも一因だろうけど。 とりあえず、印象に残ったところだけ羅列。 女性は七年間は月経。 言われてみればそ…

【読書063】きのう何食べた?(6)

「きのう何食べた?(6) 」(よしながふみ/モーニング KC) 会社帰りの本屋で見つけて即買い。 電車で普通に読んだけど、いつもよりもホモ分豊富で、ちょっとだけいたたまれない気持ちになりました。 肝心の料理部分は、時間をかけずに手間かけて、な感じのする…

【読書062】乙嫁語り(4)

「乙嫁語り 4巻」(森薫/ビームコミックス) 新刊が出たよー!!! アマゾンで発売日チェックしてたので、早速買ってきました。 行きつけの某書店では平積み6列だったよ。大人気だな。 今回の乙嫁は、騒々しい双子の子。 相当騒々しいw本当に騒々しいwww 相変…

【読書061】銀の森のパット

銀の森のパット (角川文庫) 作者:モンゴメリ 発売日: 2012/02/25 メディア: 文庫 モンゴメリって誰だっけなー。少女文学っぽいイメージだなぁ、等と思いながら購入した一冊。 代表作は「赤毛のアン」、英米文学の方でした。角川WEBで立ち読みができます。(立…

【読書060】獣の戯れ

「獣の戯れ」(三島由紀夫/新潮文庫) 久々に三島作品が読みたくなって一冊購入。高校生の頃によく読みました。 奔放な性生活をおくる夫と嫉妬心を決して露わにはしない妻。夫の部下であり妻の愛人である主人公。 不倫の現場、傷害による障害。 廃人となった夫…

【読書059】うさぎドロップ

「うさぎドロップ」(宇仁田ゆみ/祥伝社) 何で、4巻までと5巻以降を同一作品にしたし。 「よつばと! 」や、「flat」的な子供対大人の交流を描く前半と、成長した子供たちの恋愛模様を描く後半という構成。 前半は前半で、後半は後半でそれぞれ面白いんだけど…

【読書058】荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論

「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」(荒木飛呂彦/集英社新書) 荒木飛呂彦が好むホラー映画を100作品についての紹介本。 その場のノリで買ってみたものの、別にホラー映画好きではないという…。 語り口は水木しげるさんに近いかな。 荒木さんが好きな作品、受…

【読書057】谷崎潤一郎氏

「谷崎潤一郎氏」(青空文庫/芥川龍之介) 珍しく青空文庫から。 芥川龍之介が谷崎潤一郎と喫茶店へ行った際の手記。 ツイッターで回ってきたのを読んだんですが、本当に短い文章ではあるんだけど、すごく耽美な世界だなぁ。 谷崎潤一郎のwikiと芥川龍之介のwi…

【読書056】質蔵きてれつ繁盛記 おきつね祈願

「おきつね祈願-質蔵きてれつ繁盛記 」(沖田正午/双葉文庫) 神田小柳町にある質屋「八前屋」。 かつて武士であった主人仁三郎は、情にもろく商い下手。 仁三郎暗殺の命を受けた忍び、お紋と歌八も、ひょんなことから、共に質屋を営むことになる。 みたいな話…

【読書055】トルコのもう一つの顔

「トルコのもう一つの顔」(小島 剛一/中公新書) ■内容(「BOOK」データベースより) 言語学者である著者はトルコ共和国を1970年に訪れて以来、その地の人々と諸言語の魅力にとりつかれ、十数年にわたり一年の半分をトルコでの野外調査に費す日日が続いた。調…

【読書054】花宵道中

「花宵道中」(宮木あや子/新潮文庫) 江戸時代末期。 吉原、中見世、山田屋の遊女たちを主人公に短編形式で進む。 女による女のためのR‐18文学賞の受賞作品らしく、エロ有り。朝の電車で読み始めて少し焦ったw。 表題作でもある「花宵道中」と「薄羽蜉蝣」の…

【読書053】ハーモニー

「ハーモニー」(伊藤 計劃/ハヤカワ文庫JA) ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) 作者:伊藤 計劃 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 前作の、「虐殺器官」(感想)後の世界、大災禍の後で、高度に医療技術が発達し、医療コミュニティを単位での統治がなされてい…