心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

2014-01-01から1年間の記事一覧

【読書255】春狂い

「春狂い」(宮木あや子/幻冬舎/ひたちなか市立図書館書蔵) 美しい少女は、その美しさ故に、子供であることを失い、父を失い、家族を失い、居場所を失い、自身を失った。 人より優れた容姿に向けられる好奇の目。子供であるが故に出される手。女であるために…

【読書254】日本の恐竜図鑑:じつは恐竜王国日本列島

「日本の恐竜図鑑:じつは恐竜王国日本列島」(宇都宮聡・川崎悟司//ひたちなか市立図書館書蔵) 日本国内で発掘された化石から、太古の日本に生息していたであろう恐竜をまとめた図鑑。 福島県で発見されたフタバスズキリュウ、福井県の勝山竜ことフクイサウル…

【読書253】赤ちゃんの科学ーヒトはどのように生まれてくるのか

「赤ちゃんの科学」(マーク・スローン/NHK出版/ひたちなか市立図書館書蔵) 自分の妊娠出産をきっかけに、赤ちゃんに関する本を読むようになった。 読もうと思えば科学、医学、保育、教育はてはスピリチュアルまで、対象も母体、胎児、新生児、赤ちゃんと様々…

【読書252】おつきさまこんばんわ

「おつきさまこんばんは―くつくつあるけのほん4」(林 明子/福音館) この絵本は、私の記憶にはない絵本である。 実家には180cm本棚まるまる一台分の絵本があった。 定期購読していたこどものともに科学のとも、その他母が気に入った児童文学。 三人兄弟だった…

【読書251】おっぱいの科学

「おっぱいの科学」(フローレンス ウィリアムズ/東洋書林/ひたちなか市立図書館書蔵) 乳房を前にすると大のおとなも赤ん坊並みに頭がぼんやりしてしまう。(6ページ) そう、乳房、乳、おっぱい。 みんな大好き、おっぱい。 おっぱいにまつわるあれやこれや。…

【読書250】パピヨン

「パピヨン」(田口ランディ/角川学芸出版/ひたちなか市立図書館書蔵) すごく久しぶりの田口ランディさん作品。 スイス生まれの異端の精神科医、エリザベス・キューブラー・ロス。終末医療の先駆者でありながら、霊的な思想家であったため、医科学の世界を追…

【読書249】いないいないばぁ

「いないいないばあ」(松谷みよ子/童心社) 赤ちゃん用の絵本、と考えた時に真っ先に思い浮かんだのが本書だった。 でも、自分では買うまい、と思っていた。 絶対、どこかで誰かから頂ける気がしたから…!w 私自身、読み聞かされたし、夫の実家にもまだ残って…

【読書248】サボり上手な動物たち――海の中から新発見!

「サボり上手な動物たち――海の中から新発見!」(佐藤克文・森阪匡通/岩波科学ライブラリー/ひたちなか市立図書館蔵書) 対象を記録するという手法の発明は、従来の手法、観察では「行動」に着目しがちであるが、記録することによって「行動しない」場面の存在…

【読書247】だるまさんが

「だるまさんが 」(かがくいひろし/ブロンズ新社) 赤ちゃん向け。ページは厚紙ではなく、読み聞かせ用の一般的な絵本である。 赤いだるまさんがゆらゆらしながらの「だるまさんが」のいわゆる溜めのパートと、「にこっ」や「ぷっ」といった動作のパートが繰…

【読書246】シロアリ―女王様、その手がありましたか!

「シロアリ――女王様、その手がありましたか! 」(松浦健二/岩波科学ライブラリー/ひたちなか市立図書館書蔵) タイトルの通り、シロアリ本。 真社会的昆虫であるシロアリの生態や習性について語られた、まさしく生物体としてのシロアリ本。 ⚫︎シロアリはアリよ…

【読書245】パンデミック新時代

パンデミック。病害の世界的な流行を指し、爆発的感染、とも訳される。 エボラ出血熱の感染者が過去最大となり、アフリカ以外の国で感染者が見つかるなど、ちょうど「パンデミック」はホットなキーワードとなっているようだ。 本書ではパンデミックをキーワ…

【読書244】アグルーカの行方-129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 (集英社学芸単行本)作者:角幡唯介発売日: 2014/02/13メディア: Kindle版 それからずいぶんと長い間、他の人間の姿を目にすることはなかった。(27ページ) 冒頭として、なんという静謐感であろう…

【読書243】校閲ガール

「校閲ガール」(宮木あや子/KADOKAWAメディアファクトリー/図書館) 久しぶりに宮木あや子さん作品。 タイトルの通り、主人公の河野悦子は出版社で校閲の仕事をする校閲ガール。ファッション紙をこよなく愛し、ファッション紙編集部への異動を夢見ながら、ひ…

【読書242】タマゾン川 多摩川でいのちを考える

「タマゾン川 多摩川でいのちを考える」(山崎充哲/旬報社) かつては「死の川」と恐れられながらも、下水処理施設の建設により清らかさを取り戻した都市河川、多摩川。 清流で名高い四万十川と同等の清流へと蘇った多摩川であるが、近年新たな問題が持ち上が…

【読書241】動物による農作物被害の総合対策

「動物による農作物被害の総合対策: 最新の動物行動学に基づいた」(誠文堂新光社/ひたちなか市立図書館蔵書) 以前のアパートで鳩の巣に悩まされたことがあるので、獣害を受けている立場から言えば、本当に迷惑でストレスなのは重々承知なのだが、うっかり楽…

【読書240】幻獣ムベンベを追え

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫) 作者:高野秀行 発売日: 2014/06/05 メディア: Kindle版 「え―と、それでぼくたちは怪獣を探しに行こうと思ってます」(11ページ) 早稲田大学探検部。 毎年恒例の一泊MTGでの発言を発端として彼らの探検は始まった。 怪獣の正…

【読書239】赤ちゃん学を知っていますか?

「赤ちゃん学を知っていますか?―ここまできた新常識」(産経新聞「新赤ちゃん学」取材班/新潮文庫) 「赤ちゃん」研究の最前線を取材しまとめまたもの。 とはいっても、初出の新聞連載は2002年、現在は2014年なので、すでに12年前になる。 12年の間に新たな知…

【読書238】スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実

「スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実」(ルーク・ハーディング/日経BP社) 「事実は小説よりも奇なり」 ドキュメントを目にすると暫し思うことであるが、本書もまた、小説よりも奇なる実際の事件の経緯を追ったノンフィクションであった。 …

【読書237】ぶらりミクロ散歩ー電子顕微鏡で覗く世界

「ぶらりミクロ散歩――電子顕微鏡で覗く世界」(田中敬一/岩波新書) 電子顕微鏡といえば、研究室の最奥にどでんと鎮座して、高額巨大実験機械の代名詞のようなものじゃなかろうか。 それが、近年、低真空走査電子顕微鏡というものが開発され、高校や町工場に設…

【読書236】現実入門 ほんとにみんなこんなことを?

「現実入門―ほんとにみんなこんなことを? 」(穂村弘/光文社文庫) 合コン、一人暮らし、骨折献血、結婚に離婚。競馬に占い。 42歳男子ならだれでも経験していそうな(?)あれやこれやだが、「人生の経験値が極端に低い」筆者ほむらさんはどれも未経験。 ならば…

【読書235】ことばの育み方

「ことばの育み方」(中川信子監修/NHK出版) NHKすくすく子育てのことばの習得に関する本。ある程度発達に関する本を読んでいると、短いだけに物足りなさも感じるが、1時間もかからず読めるので、出産前や出産直後に少し目を通しておくのに良い感じである。 …

【読書234】おちくぼ姫

「おちくぼ姫」(田辺聖子/角川文庫) 実母に先立たれ、父の屋敷で継母に苛められ、異母兄弟たちと差別されて、日々針仕事に精を出す姫、落窪。 落窪に仕える女房の阿漕とその夫で少納言の帯刀惟成。 今をときめくエリート、家柄も申し分なく出世街道まっしぐ…

【読書233】コンスタンティノーブルの陥落

「コンスタンティノープルの陥落」(塩野七尾/新潮文庫) ビザンチン帝国の首都として、千年を越えて栄華を極めた都市、コンスタンティノープル。 三重の城壁と金角湾に守られ、地中海貿易の要として栄えた古都は、どのようにしてオスマン・トルコの軍勢に敗れ…

【読書232】家族喰い−尼崎連続変死事件の真相

「家族喰い――尼崎連続変死事件の真相」(小野一光/太田出版) 一般人が被害者となった殺人事件で、これだけ全貌を掴むのが難しい事件も珍しい気がする。 2012年に発覚した通称尼崎連続変死事件。複数世帯の家族が長期間虐待、監禁され、複数名が殺害された連続…

【読書231】恐竜時代でサバイバル

「恐竜時代でサバイバル」(ドゥガール・ディクソン/学習研究社) いざゆかん、究極の現実逃避の旅。 恐竜時代、ジュラ紀にタイムスリップして、現代人はいかに生き残るのか、そんな設定の妄想ガイドブックが本書である。 大気の組成も違えば、植生、動物たち…

【読書230】めっきらもっきらどぉんどん

「めっきらもっきら どおんどん」 「めっきら、もっきら、どおんどん」 妙に耳に残る響き。 音の響きだけは忘れない。意味のある言葉ではないのにもかかわらず、である。 シンプルに言ってしまえば神隠しにあって戻ってくるお話である。 だけど、現実世界に…

【読書229】しまっちゃうおじさんのこと

「しまっちゃうおじさんのこと」(いがらしみきお/竹書房) ピンクのヒョウ柄というアダルティーな外見。渋いのにテンション高い声。 「はーい!どんっどんしまっちゃうよーー!」 そんな台詞を合い言葉に、強烈なインパクトで通り過ぎていく、彼の名はしまっ…

【読書228】震災・避難所生活と地域防災力―北茨城市大津町の記録

「震災・避難所生活と地域防災力―北茨城市大津町の記録」(松村直道/東信堂) 茨城県北部、福島県との県境に位置する北茨城市。 3月11日の東日本大震災の際には、茨城県内で最も被害が大きく、津波による死者は5名。福島第一原発からは70kmに位置しており、初…

【読書227】史料が語る近世末期タイ─ラタナコーシン朝前期の行政文書と政治

「史料が語る近世末期タイ─ラタナコーシン朝前期の行政文書と政治」(川口洋史/風響社) アユタヤの滅亡後、王朝の交代を経て、シャム(タイ)を統治したラタナコーシン朝。アユタヤ復興を目指したと描かれることの多い王朝であるが、遺された行政文書、文書史料…

【読書226】百姓貴族(1)

「百姓貴族 (1) 」(荒川弘/ウィングス・コミックス) 駆け巡るクマ知識!クマ対処法(ムダに)総動員!! かつて酪農と畑作(ジャガイモ)をメインに北海道で農業生活を営んでいた漫画家荒川弘さんの、エッセイコミックス。 食料自給率40%と低迷する日本にあ…