心ゆくまで崖っぷちで読む本

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【読書076】おしまいの日

おしまいの日」>(新井素子/中公文庫)

 

ずっと読んでみたかった新井さんの本。

多忙な夫忠春と、依存心の強い妻三津子。結婚七年目。夫は一流企業の出世頭。都内に一戸建ての借家を借りて、夫婦仲はよく幸せなはずな家庭。

三津子の体調の変化をきっかけとして、陥っていく狂気。サイコ・ホラー。

 

メインの二人の生き方がすでにホラーだよなぁ。

多忙な夫を心配し続け、それが世界のすべてになっている三津子の存在はもちろんだけど、自ら進んで、激務の中に身を置き続け、過労の階段を上り続けることを選ぶ忠春も。

 

三津子の記す日記と、実際の出来事にあたる本文が交互に記載され、少女小説的な軽い文章で読みやすい。

前半部分に張られた伏線は、きっちり後半で回収されている。

 

後半部分の日記パート、つまりは狂った後の日記パートが、読んでいて少し辛いが、それがまた統合失調症的で妙にリアリティを持たせる。

 

なんだか面白くて、一気に読んでしまいました。