心ゆくまで崖っぷちで読む本

読む読む書く書く、時々考える(旧insolble)

【読書090】モモちゃんとあかねちゃんシリーズ

だいぶ前に中央図書館に行って借りてきました。

松谷みよ子さんの「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズ、全6巻。

児童書で、私自身幼少期に読み聞かせをしてもらった作品。1巻の冒頭をそらで言えるぐらいに、お気に入りだったものです。

いずれは購入を検討しているのですが、久しぶりに読みたくなったので、借りてきてしまいました。

 

ちいさいモモちゃん」モモちゃんとアカネちゃんの本(1)(松谷みよ子/講談社)

『モモちゃんが生まれたのはなつでした。』の一文から始まる第1巻。

モモちゃんと黒猫のプー、ママと、パパにお友達のコウちゃん。

表紙どころか背表紙がぼろぼろになるまで読んだ幼少期のお気に入りでした。

誕生祝いに駆けつけるのが、カレー粉を背負った人参、ジャガイモ、タマネギの三人組に、チューインガムにソフトクリーム。

30枚ものパンツとパンツの歌。

キュウリにお薬をぬったり、結婚ごっこしてみたり。

印象に残っている作品をあげようと思ったら半分くらい該当してたとかそんな作品です。

 

モモちゃんとプー」モモちゃんとアカネちゃんの本(2)(松谷みよ子/講談社)

 

 

 

モモちゃんとアカネちゃん」モモちゃんとアカネちゃんの本(3)(松谷みよ子/講談社)

モモちゃんが1年生になり、ここから徐々にモモちゃんからアカネちゃんへと主人公がシフトしていきます。

「もっかけんかちゅう」から「ママのところに死に神がきたこと」「森のおばあさん」、そして「おわかれ」。

パパの靴だけが帰ってくる話やママの育つ木とパパの歩く木の話。ママの元に現れる死に神

家庭内不和、病、離婚等を暗示する、本作品群の中でダークサイドである作品が収録されています。

今読むと、結構怖い話なんですが、読んだ当時、怖い話だったという記憶はありません。不思議な話だなとは思っていた気がしますし、印象には残っていました。

「おわかれ」の後、パパがとぼとぼと反対方向へ歩いていきます。人間のパパの存在が作中で唯一実体を伴う場面です。

 

ちいさいアカネちゃん」モモちゃんとアカネちゃんの本(4)(松谷みよ子/講談社)

新しい家で、モモちゃんとアカネちゃんとママとプーの新生活が始まります。

「パパ、ないない」

 

 

アカネちゃんとお客さんのパパ」モモちゃんとアカネちゃんの本(5)(松谷みよ子/講談社)

正直にいうと、あまり記憶に残っていない作品。

今回読んでも、印象に残るお話は収録されていませんでした。

ただ、『お客さんのパパ』、という表現は言い得て妙だなと思いました。

作中、モモちゃんがパパに会いたがる描写はありません。でも、アカネちゃんはパパに会いたがります。

それはモモちゃんがパパの思い出を少しだけ持っているからなのか、ママの気持ちを思いやってし我慢してしまうからなのか。

 

アカネちゃんのなみだの海」モモちゃんとアカネちゃんの本(6)(松谷みよ子/講談社)

シリーズの完結編。実はこの作品のみ初読です。

発行が1992年なので、私が読んでいた時代にはまだ発行されていなかったためです。

アカネちゃんは小学一年生になり、再会と別れがまっていました。

 

「モモちゃんのなみだの海」からの最後の三編は、秀逸。長子であった方のほうが、理解しやすいかもしれません。

泣き虫なアカネちゃんとあまり泣かないモモちゃん。

本自体のタイトルは「アカネちゃんのなみだの海」なのに、お話のタイトルは「モモちゃんのなみだの海」。

『モモちゃんはなきたくてもずっとがまんしてきた。』(172ページ)

そんな森のおばあさんの言葉と、続くうたの詩。

 

アカネちゃんを主人公として進んできた中で、もう一度、焦点がモモちゃんに戻ります。

この話がある故に、本作品はモモちゃんとアカネちゃんのお話として完結を迎えることができているのだと思います。

 

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

 

 

***

 

松谷みよ子さんのエッセイを読むと、この作品が書かれた当時の筆者の生活、心理が色濃く反映されているのがわかります。

1巻の発行は1974年ですので、おそらく今よりもずっと厳しい状況であったワーキングマザー、家庭内不和から夫との離婚、そして死別。

筆者は当然ながら親の立場でこれらを経験しています。そのためこれらダークサイドとも言うべきお話の中での子供たちは、親にとって都合の良い一面なのではないか、という疑問が少し残ります。

 

また、1巻から6巻まで、非常に長期にわたってかかれた作品であるため、1巻と6巻では表現に変化、ゆらぎが生じています。(10円だったり銅貨だったり、でもやっぱり10円だったり。)

 

松谷みよ子さんのエッセイには、正直、同意しかねる点も多数あります。(世代が違うと言えばそれまでかもしれませんが。)

それでも、この作品が世代を超えて愛される理由は分かる気がするし、今もなお、大好きなお話のままです。

私自身、本書を読んでもらった当時は、弟が生まれ、妹が生まれでしたので、それ故に共感を得たのかなと思います。

小さな兄弟が生まれるお子さんに是非。