心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

2013-01-01から1年間の記事一覧

【読書147】心を動かすデザインの秘密

「心を動かすデザインの秘密 認知心理学から見る新しいデザイン学」(実務教育出版/荷方邦夫) ※「本が好き!」様より献本いただきました。 認知デザイン学の入門書、と紹介される一冊。 今朝、目が覚めたときに一番に目に入ってきたものは何ですか?朝食は何…

【読書146】刺繍する少女

「刺繍する少女」(小川洋子/角川文庫) 刺繍好きとしてタイトルにひかれて購入。 しかし刺繍はあんまり関係なかったですw 今際に、アルバイト中に、不倫、デートの瞬間に。 自己として、他己としてそれぞれの主人公たちが接する狂気。 淡泊な語り口に騙され…

【読書145】墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便

123便 日航機墜落事故 御巣鷹山 JA8119 JAL 日本航空 法医学

【読書144】シューリマン旅行記 清国・日本

「シュリーマン旅行記 清国・日本」(著:ハインリッヒ・シュリーマン、訳:石井和子/講談社学術文庫) 「旅と病の三千年史」から旅繋がりで。 タイトル通り、トロイの木馬の発掘で有名なシュリーマンの清国・日本見聞録。旅行記だ。 彼が世界漫遊の旅に出たの…

【読書143】旅と病の三千年史―旅行医学から見た世界地図

「旅と病の三千年史―旅行医学から見た世界地図」(浜田篤郎/文春新書) ざっくりメモ書き的に感想を。 古い時代、旅が今よりもずっと過酷で、病は悪い精によって生じるといった考え方が一般的だった時代の古典的な医学から、微生物が発見され、病気の原因は全…

【読書142】蠅の王

「蠅の王」(ウィリアム・ゴールディング/新潮文庫) 書評サイトで「二年間の休暇」の書評を書いた際に、裏「十五少年漂流記」としてお勧めいただいた一冊。 なんだろう、この暗い空気は。 いくつもある分岐を、ひたすらバッドエンドへ向かって突き進んでいる…

【読書141】嘘つきアーニャの真っ赤な真実

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」(米原万里/角川書店) ロシア語翻訳の米原万里さんが、少女の頃に過ごした在プラハのソビエト学校。当時の級友たちの今を追うノンフィクションエッセイ。 それでも、このときのナショナリズム体験は、私に教えてくれた。異国…

【読書140】妊娠カレンダー

「妊娠カレンダー」(小川洋子/文春文庫) 短編が三篇収録されている。 まず表題作の「妊娠カレンダー」。 雰囲気は角田光代さんの「予定日はジミー・ペイジ」に近い。内容的にもなんとなく対になっているイメージの作品。 「予定日はジミー・ペイジ」の視点が…

【読書139】エピデミック

「エピデミック」(川端裕人/角川文庫) C県T市。首都圏からほど近い漁村の崎浜地区。 人口3000人ほどの温暖な小さな町で、インフルエンザでは珍しい青壮年の重症患者が連続で発生した。 突如の高熱、脳炎、そして死。 たまたまC県を訪れていたフィールド疫学…

【読書138】のほほん人間革命

「のほほん人間革命」(大槻ケンヂ/角川文庫) 久々に再読。 サボテントリップに始まり、ランジェリーパブ、UFOまで。 オーケンののほほんエッセイ集。 乳母玉サボテンにしても、タンキングにしても、オーケンエッセイの凄いのは、普通は引き下がるところで、…

【読書137】黄泉坂案内人

「黄泉坂案内人」(仁木英之/角川書店) うつしよと彼岸をむすぶ黄泉坂。 未練をかかえて死んだ人間は黄泉坂を越えられず、未練が妄執になり、やがてはマヨイダマと呼ばれる人に害をなすものになり果てると言う。 ナトリに名前を奪われ、黄泉坂を行き来するタ…

【読書136】跡形なく沈む

「跡形なく沈む」(D.M.ディヴァイン/創元推理文庫) ミステリではなく、ヒューマンドラマとして評価できる一作。 タイトルは、最期まで読めばなるほどと思わなくもないが、伏線がないためやや無理やり感がある。 登場人物が多い点と、三人称小説ではあるが視…

【読書135】昆虫食入門

「昆虫食入門」(内山昭一/平凡社新書) うっすらとした"エビ風味"とでも言おうか。それが普通の虫の味(18ページ) そうか。一般的な虫の味があるのか。そうか。 昆虫食が文化的に遠いものになっている自分にとって、なかなか衝撃的な一文だった。 表紙の後にカ…

【読書134】遠い幻影

「遠い幻影」(吉村昭/文春文庫) 別の吉村昭作品のレビューを書いた際、コメントからご紹介いただいたので読んでみました。 吉村昭さんの現代劇を集めた短編小説集。 解説には「人生の一瞬の揺らぎを捉えた十二の傑作短編集」とあるけれど、まさしく揺らいだ…

【読書133】おさがしの本は

「おさがしの本は」(門井 慶喜/光文社文庫) 主人公の和久山は、図書館レファレンスカウンター勤務の堅物公務員。 短大生のレポート本探しに、思い出の本探し。研修名目の難題本探し。 図書館を舞台に繰り広げられる本探し短編連作集。 図書をキーに、事件が…

【読書132】ガンジス河でバタフライ

「ガンジス河でバタフライ」(たかのてるこ/幻冬舎文庫) 筆者が20歳頃にかけてした旅を振り返って書かれた一冊。 香港-シンガポール-マレーシアを経てシンガポールを旅するアジア編とひたすらインドをめぐるインド編の2章立て。 最初に巻末の筆者年表の様なも…

【読書131】死と神秘と夢のボーダーランド: 死ぬとき、脳はなにを感じるか

「死と神秘と夢のボーダーランド: 死ぬとき、脳はなにを感じるか」(ケヴィン・ネルソン/インターシフト) ※「本が好き!」様より献本いただきました。 「医学の古い格言に、物事に関する知識の量を量るには、それを主題にした文献の量を見ればよい、とある。…

【読書130】私は障害者向けのデリヘル嬢」

「私は障害者向けのデリヘル嬢」(大森みゆき/ブックマン社) 「セックスボランティア」などで徐々に認知されるようになってきているとはいえ、タブー視されがちな「障害者の性」の問題。 それを「障害者専門」という会員制デリバリーヘルスで働いていた筆者の…

【読書129】食糧の帝国―食物が決定づけた文明の勃興と崩壊

食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊 (ヒストリカル・スタディーズ)作者:エヴァン・D・G・フレイザー,アンドリュー・リマス発売日: 2013/02/01メディア: 単行本 食糧交易網の発達をベースとして栄華を誇る文明「食糧帝国」。 過去から現在に至るま…

【読書128】いざ志願! おひとりさま自衛隊

「いざ志願! おひとりさま自衛隊」(岡田真理/文春文庫) 酔った勢いで予備自衛官になるために予備自衛官補の採用試験を受け、予備自衛官補訓練を受け、実際に予備自衛官補として登録されている女性の体験談がいわゆるブログ的な文体で書かれている一冊。 軽く…

【読書127】累犯障害者

「累犯障害者」(山本譲司/新潮文庫) 知的障害、ろうあ者といった障害者をメインに罪を重ねる障害者と福祉行政が抱える問題を扱ったポタージュ。 犯罪者になってしまった側を扱っているので、現行の福祉行政の利点や効果より欠点が大きく取り上げられる内容に…

【読書126】「婚礼、葬礼、その他

「婚礼、葬礼、その他」(津村記久子/文春文庫) 表題作「婚礼、葬礼、その他」と「冷たい十字路」の二本立て。 「婚礼、葬礼、その他」 本文中に「葬礼>姑の体調>婚礼」と書いてあるけど、主題としては「空腹>葬礼>姑の体調>婚礼」。 旅行を申し込んだそ…

【読書125】38億年 生物進化の旅

「38億年 生物進化の旅」(池田清彦/新潮文庫) 義父さんからもらった。私が義母さんに本を借りて、二人できゃきゃきゃうふふしているのを見て、仲間に加わりたかったのではないか、というのが夫と私の共通見解。 前半は面白かったけど、後半、完新世に近づく…

【読書124】ヒエログリフを愉しむ

ヒエログリフを愉しむ ―古代エジプト聖刻文字の世界 (集英社新書) 作者:近藤 二郎 発売日: 2004/08/17 メディア: 新書 ヒエログリフというよりはヒエログリフを交えて古代エジプトについて書かれた雑学本。 難点は章が細切れで章と章の繋がりが薄いため雑学…

【読書123】私の美の世界

「私の美の世界」(森茉莉/新潮社) 森鴎外の娘、森茉莉によるエッセイ集。 1月頭くらいから読んでいたんだけど、ようやく読了。お風呂の共にゆっくりゆっくり読破。 おしゃれなカフェとかで、読むのに良さそうな女子力が高いんだか低いんだかわからない一冊。…

【読書121】小美代姐さん花乱万丈 【読書122】小美代姐さん愛縁奇縁

シリーズなので二冊一気に紹介。 どちらもやや独特だが軽い読み口で。 「小美代姐さん花乱万丈」(群ようこ/集英社文庫) 舞台は大正から昭和にかけて。 右手に軽い障害があり左利き。学校嫌いで三味線に秀でた美代子は、芸者の道を選ぶ。 自ら選んだ厳しい修…

【読書120】シュメル神話の世界―粘土板に刻まれた最古のロマン

「シュメル神話の世界―粘土板に刻まれた最古のロマン」(岡田明子、小林登志子/中公新書) 先日紹介した「シュメル―人類最古の文明」よりもだいぶ親切。 タイトル的には本書が各論、「シュメル―人類最古の文明」は総論ぽい感じがしたので、「シュメル―人類最古…

【読書119】姉の結婚

「姉の結婚」(群ようこ/集英社文庫) 貧乏と見栄をテーマにした小話集。 1話1話が短いし、全体のページ数も少ないのでさくさくっと読了。 「ご祝儀袋」 若くして出来婚。ただでさえ貧乏なのに、自分の結婚祝いはやっすい土産ですませた女の結婚式に出席しない…

【読書118】太陽の庭

「太陽の庭」(宮木あや子/集英社/岡崎市立図書館所蔵) 「憧憬☆カトマンズ」が「セレモニー黒真珠」とのリンクなら、本作は「雨の塔」とのリンク。 タイトルもなんとなく「雨の塔」とリンクしているように思える。 「永代院」。 都心の真ん中にありながら、な…

【読書117】新版 でもトルコが好き

「新版 でもトルコが好き」(中沢由美子/わらび書房/岡崎市立図書館所蔵) 書かれたのが2000年なので、ちょっと情報が古い。 トルコ旅行で、現地の日本語ガイドさんが語った「ちょっと前のトルコ」を書いたエッセイ。 拡大する貧富の差、それに伴って低い教育…