心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

2013-01-01から1年間の記事一覧

【読書179】行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅

「行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅」(石田ゆうすけ/実業之日本社) 「せっかくだから世界一のものを見つけてやろう」 何が世界一かは、もちろん、ぼくが決めるのである。 ぼくが見て、世界一だと思ったら、それが世界一だ。(4ページ) 1995年7…

【読書178】食べる。

「食べる。」(中村安希/集英社/岡崎市立図書館所蔵) 旅人の間でその料理は'ゲロ雑巾'と呼ばれていたと言って、彼女は笑った。(10ページ) エチオピアのインジェラという国民食の事らしい。 イネ科の穀物テフの粉で作ったクレープ状の食品で、酸味と灰色の見た…

【読書177】ヒトはなぜ難産なのか―お産からみる人類進化

「ヒトはなぜ難産なのか―お産からみる人類進化」(奈良貴史/岩波科学ライブラリー) ヒトは難産である。数多の野生動物と比較して難産なのはもちろん、霊長類、類人猿と比較しても、非常に難産であるらしい。それはなぜなのか? 現在の難産の原因を、お産は本…

【読書176】冤罪 ある日、私は犯人にされた

「冤罪 ある日、私は犯人にされた」(朝日新聞出版/菅家利和/岡崎市立図書館所蔵) なんともコメントに困る本だなぁ、というのが率直な感想である。 正直に思ったことを書いてしまうと不謹慎だと叩かれそうであるし、かといって、そこに触れずに書いても核心に…

【読書175】赤ちゃんは世界をどう見ているのか

「赤ちゃんは世界をどう見ているのか」(山口真美/平凡社新書) 眼があれば見えるのか?(12ページ) 第一章をひらき、一番最初の副題になっているこの疑問を解決すべく書かれた一冊。 生まれ落ちたばかりの赤子の視力は弱い。 乳幼児の視覚、またその獲得をテー…

【読書174】さがしもの

「さがしもの」(角田光代/新潮文庫) 旅には本がつきものである。 意気揚々と一冊選び手提げ鞄に詰め込んだものの、1、2ページ読んだだけで、帰りはスーツケースの奥で折れ曲がろうとも、旅には本がつきものなのだ。 本書のテーマは旅の中の本。 そう思うのは…

【読書173】タンパク質の一生: 生命活動の舞台裏

「タンパク質の一生―生命活動の舞台裏」(永田 和宏/岩波新書) タイトル通り、タンパク質の製造から成熟、輸送、品質管理から分解までを一通りの流れで解説する一冊。 生化学の知識、最低でも有機化学の知識がないと理解するのは難しいのではないかと思う。 …

【読書172】丕緒の鳥

「丕緒の鳥 十二国記」(新潮文庫/小野不由美) テーマは国の荒廃と民の足掻き、とでも言おうか。 「王が居れば国は安定する。」 これが絶対の天の理である十二国記の世界で、王が倒れる間際、あるいは空位の時代にあって、荒廃していく国土や歪みと戦う、民草…

【読書171】0歳児がことばを獲得するとき―行動学からのアプローチ

「0歳児がことばを獲得するとき―行動学からのアプローチ 」(正高信男/中公新書) タイトル通り、生まれた子供が言語を獲得していく過程について、心身の両面からまとめられている。 月齢の異なる幼児の比較、月齢の同じくらいの幼児の比較に始まり、ヒト以外…

【読書170】死ねばいいのに

「文庫版 死ねばいいのに」(京極夏彦/講談社文庫/同僚より借受) 死んでしまった女アサミの事を、関係者に尋ね歩く無礼な若者ケンヤ。 ケンヤと関係者との対話形式で話が進む。 ジャンルとしてはサスペンスなのかなぁ。 「オレ、バカなんでほんとわかんないん…

【読書169】リスボン 坂と花の路地を抜けて

「リスボン 坂と花の路地を抜けて」(青目海/KanKanTrip) ※「本が好き!」様より献本いただきました。 ポルトガルの小さな古都リスボン。ヨーロッパ最後の田舎と呼ばれ、花咲き誇る町。 上品な文章で、穏やかな語り口。リスボンへ行ってみたくなるというより…

【読書168】NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版 2013年 07月号

「NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版 2013年 07月号」 「デニソワ人 -知られざる祖先の物語-」 我々現生人類とも、現生人類と一時は同時に存在し、交雑しながらも滅びたクロマニョン人。そのどちらとも異なる第三の人類の化石が発見された。 彼らの名はデニソワ人…

【読書167】野良女

「野良女 」(宮木あや子/光文社文庫) アマゾンを見ると「アラサー女子の心の叫びが云々」と書かれているけど、違うんだ。 28歳から30歳。微妙なお年頃のアラサー女子たちの仕事模様恋模様。「等身大のアラサー女子達」が描かれているように感じた。 結果、エ…

【読書166】高速エンジェルエンジンBGH

「高速エンジェルエンジンBGH」(本仁戻/ポーバックス Be comics) 「高速エンジェルエンジン」(エンエン)シリーズ12年分ぶりの新刊。 この世界には天使と悪魔と人間がいて、天使は少ないけど、悪魔はもっと少ない。天使に狩られちゃうから。 デカビタを愛する…

【読書165】江戸の躾と子育て

「江戸の躾と子育て 」(中江克己/祥伝社新書) 江戸時代の子育てに関わる慣習やしきたり、子供の風俗について述べた一冊。 「躾と子育て」というよりは「教育と遊び」と言ったほうがしっくりくるかも。 江戸時代、すでに「子育ては胎教からはじまる」と説いた…

【読書164】今日のごちそう

「今日のごちそう」(橋本紡/講談社/岡崎市立図書館所蔵) 豪華な晩餐、普通の食事、作り置きカレーのアレンジ。食を舞台に繰り広げられる日常のショートショート集。 AMAZONの商品説明には「誰にでもある、ごくふつうの日の料理の風景を繊細に丁寧に切り取っ…

【読書163】大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌

「大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌」(辨野義己/幻冬舎新書) 世界各国6千人分の大便を収集し、観察・分析してきた大便の研究者による大便本。 すっごく端的には、「肉食を控えて、食物繊維と乳酸菌を接種せよ」ということが語られている一…

【読書161】たのしく学べる乳幼児の心理」

「たのしく学べる乳幼児の心理」(櫻井茂男、岩立京子/福村出版/岡崎市立図書館所蔵) 各章ごとのテーマに沿って乳児から幼児の発達に関する内容が延べられ、参考となる文献や研究が紹介されている。 細切れのため読みやすいが、意識して読まないと記憶に残り…

【読書161】ドングリの謎: 拾って、食べて、考えた

「ドングリの謎: 拾って、食べて、考えた」(盛口満/ちくま文庫) 埼玉県飯能市にある私立自由の森学園中学校・高等学校の教諭で、拾い物を趣味とする筆者がどんぐりをテーマまとめたフィールドワークノート。 ボルネオで世界最大のどんぐりを拾う?どんぐりっ…

【読書160】NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版 2013年 06月号

「NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版 2013年 06月号」 ●青い蜂蜜。 どうやらM&M'sの廃棄物をあつめた結果らしい。 ハチは本来、佐藤に比べて分解して栄養にしやすい花蜜のほうを選ぶが、日照りなどで花が少ないとどんな糖でも集めるようになるらしい。 青色の糖が…

【読書159】赤ちゃん絵本ノート 赤ちゃんが微笑む、とっておきの絵本160冊

「赤ちゃん絵本ノート 赤ちゃんが微笑む、とっておきの絵本160冊 Marble books」(田中尚人、あべみちこ/Marble books/岡崎市立図書館所蔵) 0歳から3歳を対象とした絵本本。 案外知っている絵本が少なかくて良かった。知っていたのは1.5割~2割程度だろうか。…

ブックカバー

転職して電車通勤になって1年半、通勤時間を利用した読書を再開して、1年強がたちます。 布のブックカバーを作ってみたりはしたけれど、布だと厚みがあるのとたわむのが嫌ですぐに使うのを辞めてしまっていました。 ただ、夏場は汗をかくし、カバンの中に入…

【読書158】日本のムスリム社会

「日本のムスリム社会」(桜井啓子/ちくま新書) 頑張って書いた感想が消え失せてやる気も消え失せそうだが、もう一回だけ頑張る。 日本各地にあるイスラムモスク。 民家や廃ビル、工場、果てはパチンコ店を改造してできたそこには、ドームも尖塔もないけれど…

【読書156】【読書157】にぎやかな天地(上)(下)

「にぎやかな天地〈上〉」「にぎやかな天地〈下〉」(宮本輝/中公文庫) その昔、糠漬けとともに実家から送られてきた作品。旧題「賑やかな天地」。 しかも、本作は上・下二巻の作品なのに、なぜか上巻のみを送ってくるといういじめプレイだった。 とりあえず…

【読書153-155】山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記(1)(2)(3)

「山賊ダイアリー(1) 」「山賊ダイアリー(2)」「山賊ダイアリー(3)」(岡本健太郎/イブニングKC) 漫画だけど分けてカウントするのがめんどくさいので、読書と一本化。 猟銃所持許可・狩猟免許を持つ作者自身の経験を描いた実録風漫画。猟師、シビエ本。 イノ…

【読書152】魚舟・獣舟

「魚舟・獣舟」(上田早夕里/光文社文庫) 表題作の「魚舟・獣舟」をはじめとして、6編が収録されたSF短編集。 幾つか印象に残ったものだけ。 「魚舟・獣舟」 所謂現代世界が崩壊した後の世界、陸地の多くは海に沈み、海には海上民が住まう。 どのような環境に…

【読書151】マイナス50℃の世界

「お元気ですか。こちらはもうすっかり暖かくなりました。外の気温はマイナス21度。暑いほどです」(中略)「東京は春だというのにまだはだ寒く、きょうの気温はプラス21度です」 北半球で最も寒い都市ヤクーツク。ヤクーツクのあるヤクート自治共和国(現サハ…

【読書150】巨大翼竜は飛べたのか

「巨大翼竜は飛べたのか」(佐藤克文/平凡社新書) ペンギン、アザラシにウミガメ少々だった「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待」に対して今作で主となるのはウミガメ、マンボウ、そして様々な鳥たちだ。 「ペンギンもクジラ…

【読書149】シルクロード鉄道見聞録 -ヴァチカンから奈良まで全踏破-

「シルクロード鉄道見聞録 -ヴァチカンから奈良まで全踏破-」(芦原伸/講談社) ヴァチカンから奈良まで、鉄道で辿るシルクロード60日の旅を記した手記。 本書でかかった時間は2ヶ月。トラブルがあったとしても3ヶ月あれば辿れるか…? 費用はいくらくらい…

【読書148】ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待

「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待」(佐藤克文/光文社新書) データロガーを使用した、海洋生物の生態研究に関する新書。タイトルにクジラが入っているけどクジラの話題はまったく出てこない。 データロガーや記録装置が発…