心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

【読書357】毒吐姫と星の石

多読の箸休めにラノベ

ミミズクと夜の王」と同じ世界線の話ではあるけど、続編とまでは言えないかな。四肢の動かない王子クローディアスと、クローディアスに嫁いだ隣国の姫のお話。 前作よりはかなり上手になってるけど、肝心なことが語られてない感じ。

例えば最後のエルザと王との面会シーン。エルザがそれまでの人生に蹴りをつける場面で、そこでエルザの今後の人物像が垣間見えると思うんだけど、描かれて無い。 結局、彼女が過去についてどう結論づけたか、結末を濁されるモヤモヤ。

不幸な生い立ちからの恵まれた環境、恵まれた環境への拒絶、そこそこトラウマを抱えつつ乗り越えてきた出来の良い大人たちに囲まれて、自らの生い立ちを乗り越えてのハッピーエンド。

王道のボーイミーツガールなんだけど、ミミズクもエルザも深みがないというか。 周囲が立派すぎるのかなぁ。 どちらも自立するヒロインなんだけど、結末に至るプロセスが全然自立的じゃない。ミミズクはまだ、一応赤い花のエピソードとかあったけど、エルザはそれすらもない。

受動的なヒロインを否定しながらどこまでも受け身なヒロインが、文句ばっかり言ってるのを見せられて、なんかフラストレーションが溜まってしまった。