心ゆくまで崖っぷちで読む本

中小企業診断士(登録予定)の読書ブログ

【読書463】心理的安全性のつくりかた 「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える

今、どうしても読みたかった本の一冊。

心理的安全性とは、Google社のプロジェクトの中で、効果的なチームの分析により見出された概念である。 効果的なチームとは、業務効率が良く、定着率の良いチームを指す。

Googleは2012年に立ち上げたプロジェクト・アリストテレスの中で、4年の歳月をかけ「効果的なチームは、どのようなチームか」を調査・分析しました。 Googleのリサーチチームが見出したのは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」だということでした。そして、さまざまな協力の仕方がある中で圧倒的に重要なのが「心理的安全性」であり、心理的安全なチームは離職率が低く、収益性が高いと結論づけています。

心理的安全性は、社内業務の効率や収益性の面のみから求められているわけではない。

多様性と包摂は、日本では大企業・公的セクターを中心に注目が集まり、取り組みが始まっているSDGsでも大きなテーマです。17の国際目標がありますが、これら国際目標の目的こそが「誰一人取り残さない(Leave no one behind.)」、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現23とされています。こうした目標に到達するためにも「④新奇歓迎」は重要性の高い項目です。

心理的安全性の担保は、SDGsに代表されるような企業に課せられる社会的責任、役割をいかに果たしていくかという点で、重要視されてよい着眼点だと思う。

ISO45001、労働安全衛生のマネジメントシステム規格が発行されたが、その中にはメンタルヘルスを含むとされており、職場環境の向上は、労働災害の防止同様にマネジメントの責任として要求される時代になりつつある。

部内で共有回覧される「部長対策マニュアル」が整備されました。「クライアントと一緒に部長報告に行けば、クライアントの前なので怒鳴らない」「基本的に他人の意見は否定するので、情報を用意して自分で結論・方針を思いつかせる」などの詳細な記載まであるマニュアルです。

自身の職場で心理的安全性が阻害されているという意識からに他ならないんだけど…、

同じ部署内でのチームの差を見る(例えば、営業1課と営業2課)だけではなく、「組織・チーム名と矛盾する結果」になってないかを見てみることも重要です。 例えば、①話しやすさの低い「品質保証課」、②助け合いの低い「看護チーム」③挑戦の低い「イノベーション室」、④新奇歓迎の低い「ダイバーシティ推進室」のようになっていたら、何かがうまくいっていないと考えられるでしょう。

最後の最後に、矛盾として例示されていて思わず笑ってしまった。

比較問題かもしれないが、自身が今までは心理的安全性が担保された職場に恵まれてきたことを自覚する良い機会となった。

それはそれとして、目の前の現実をどうすべきか、頭を抱える。