【読書457】娼婦たちから見た日本 黄金町、渡鹿野島、沖縄、秋葉原、タイ、チリ
気づいたら記事のストックが無くなっていた。 そもそもあまり読んでいない。
娼婦たちから見た日本 黄金町、渡鹿野島、沖縄、秋葉原、タイ、チリ (角川文庫)
- 作者:八木澤 高明
- 発売日: 2016/05/25
- メディア: 文庫
国内外、新旧の色街や嬢を取材したルポ。 青森の事件で紙面を賑わせたアニータさんなども取材している。
性を扱う問題、またその商売は、時代によっても位置付けが異なり、非常に興味深い。 海外の色街に出荷され、病に倒れる者、あるいは生きてかえった者。出稼ぎ先の色街でHIVをもらい、妻にうつし、自身も死を待つ身である者。自身の生活のため、仕送りのため、成功を夢見て、あるいは楽しみとして春を売る者。
とても、ダイバーシティを感じる。
日本には売春禁止法があり、公的には禁止されている。 本書では行き場のない女性たちの救済としての売春についても取り上げられているが、売春という制度、色街が残ることが、作者の主張のとおり必要悪と言えるのだろうか。
「有名なルポライターが書いてる通りの職場なんだ。怪我して、指を落としそうになっているのに病院に連れていかないで、しかも休ませないで会社に来させるんだ。怪我した事実を少しでも隠蔽するためにね。休みの日も会社のイベントがあって、あんまり外の連中と付き合わせないように仕向けるんだよ。外の世界を見せちゃうと会社人間じゃなくなっちゃうからね」
沖縄のタクシー運転手の半生が語られる場面だが、あの本のことかなーと思う。
外野から見ると、当時のマインドは今でもあって、一種の宗教王国なんだろうな、という印象。